Masassiah Blog

現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

DXの思考法

『DX の思考法 日本経済復活への最強戦略』(西山 圭太 著,冨山 和彦 解説,文藝春秋,2021年3月20日発行)を読了。

進化生物学者の E・O・ウイルソンは,我々人類は,感情は石器時代から変わらぬまま,制度・ガバナンスは中世から変わらぬままに,技術だけは神レベルのものを手にして 21 世紀を迎えてしまった,と評したらしい。言いえて妙である。(位置 No. 52)

技術に追いつくように,感情,制度・カバナンスをアップデートしていく。

特殊からの一般,具体からの抽象への発想の転換である。デジタル化の核心がここにあると言って過言ではない。(位置 No. 380)

デジタル化するため,ありとあらゆるものの抽象度を高くする。

「単純な仕掛けをつくると,目の前にないものも含めて何でもできてしまうかもしれない」という一般化・抽象化の思想が,デジタル化の根底に常にある,ということである。そして,そのことがもつ破壊的ともいえるパワーがデジタル化を貫いていて,現代にいたるまで,そして今後ますますそれが影響する範囲を広げつつあるという点である。(位置 No. 421)

仕組みを作ることができれば,疲れを知らないデジタルが動き出す。

デジタル化の時代に不可欠なのはこの「まずは抽象化してみて,それから具体化する」,つまり感覚的に言えば「上がってからはじめて下がる」という発想である。(位置 No. 478)

抽象化と具体化を行き来し,デジタル化の仕組みを作り上げる。

コンウェイの法則自体は,コンピュータ科学者だったメルヴィン・コンウェイが 1960 年代に提唱したものらしい。簡単に言えば,システムを設計しようとすると,そのシステムの構造はその設計をしている組織のコミュニケーションの構造とそっくりになる,というものである。タテ割りの組織がシステムを作ると,タテ割りのシステムが出来てしまってレガシーになるということである。(位置 No. 1441)

タテ割りの組織の発想は捨て去り,システムを作る。

ややこしいことを目の前にしたときに,我々はまずどうすべきなのか。「課題から考える」である。アーキテクチャの授業は,課題の構造を考えるトレーニングから始めることが多い。(位置 No. 2111)

まずは解くべき課題を考える,つまり,イシューからはじめよ,である。

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モノという発想に囲まれて生きてきた結果,あわせて「具体から考える」という癖を身につけてしまい,その発想法から離れられないのだ。これは発想の問題なので,気づかなければ,デジタルの世界でも同じことをしてしまう。(位置 No. 2140)

モノづくりばかりに目を向けてきた日本が,デジタルで後れを取っているのは「具体から考える」という癖が身についてしまい,その発想から離れられないからなのではないか。

図表 7.2 IX*1 時代の歩き方 正誤表
課題から考える 手元にある解決策から考える
パターンを探る 既存のカテゴリー,ルールを当てはめる
アジャイルにこなす 要件定義をしっかり書く
抽象化する 目の前の具体に囚われ,さらに細分化する

課題を考える,パターンを探る,アジャイルにこなす,抽象化する,という歩き方を身につけよう。

「ややこしい」ものを捉え,それに働きかけるには,武器が多い方が良い。その武器が役立つ「パターン」であり,それをあなたの中にどれだけ持っているか,それが IX 時代に問われるあなたの経験値だ。特定の仕事を長くやったかどうか,特定の分野に詳しいかどうか,ではない。複数の分野,複数の組織を経験した人間の方が武器は多いはずだ。ましてや前例などの世にあるルールに頼ることは武器にならない。(位置 No. 2819)

武器を多く持つため,複数の分野,複数の組織を経験する。

*1:Industrial Transformation. 産業構造全体を大きく変容させる力を持っていること。