Masassiah Blog

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東大生が書いたやさしい経済の教科書

2020年6月6日更新

『東大生が書いたやさしい経済の教科書』(東京大学赤門 Economist,インデックス・コミュニケーションズ,2005年1月15日発行)を読了。

経済成長をもたらす要因は 3 つ存在する。「労働」「資本」「技術革新」である。(p. 51)

経済成長をもたらす要因がわかっていても,経済成長は実現できない。

ただし,「技術革新」の源泉は,現代の経済理論を用いてもいまだ不明である。(p. 52)

経済成長を意図してもたらせない理由は,技術革新が不明だからか。

モラル・ハザードとは保険加入者の中に出てくる,危険を避けるための努力を怠るような行為のこと(p. 74)

モラルを全ての人が持つことができれば,素晴らしい世界ができるのではないか。

財政政策 政府が政府支出や税収を増減させることで経済に影響を与えようとする政策。
金融政策 中央銀行が貨幣供給量の増減を通して経済に影響を与えようとする政策。(p. 94)

財政政策と金融政策は,どこまで経済に影響を与えられるのだろうか。

フィッシャー方程式 実質利子率=名目利子率-インフレ率(p. 108)

実質利子率を意識する。そのためには,名目利子率だけでなく,インフレ率を知る。

流動性の罠の解決方法としては以下の 2 つが考えられる。(p. 115)

  1. 伝統的な解決方法:財政支出の増大
  2. 新しく提案されている解決方法:インフレターゲット

「合理的期待形成」とは,人々は利潤最大化を達成するため,現時点で入手可能なすべての情報を駆使して将来の予想を立てるということ

人は何らかの経済活動をする際,利潤を最大化するような行動をとる(p. 130)

人々に期待を持たせるようなことを発信していけば,人々の行動が前向きになるのではないか。

外国為替市場ってのは,どこにもあってどこにもないのさ。大きさか。地球と同じ大きさかな」

外国為替市場という,場所としての「市場」は存在しない。(P169)

外国為替市場の大きさは地球と同じ。

「為替の予想ができると思っているのは,正真正銘の馬鹿か,天才かどっちかだよ。残念ながら,大抵は前者さ」

外国為替市場は人間のあらゆる英知を吸い込むブラックホールだ。(p. 170)

為替の予想できれば,無限の利益が期待できる。

比較優位(p. 186)
=各国において相対的に低費用で生産できる財(比較優位がある財)に生産を特化
=貿易すれば,各国とも貿易をしなかったときよりも利益が増える

損得をしっかり考えて,有利なことを進めていく。

農 家→生活がかかっているので全力で自由化を阻止。政治的運動。
消費者→大した金額ではないので,政治運動を起こすほどやる気はない。自由化で利益があることに気づかない。(p. 190)

様々な問題は,論点を整理しなければ,どのように判断すればよいかわからない。

貿易自由化は,
 短期的には失業者が生まれるなどの悪影響が起こりうるが,
 長期的には日本経済にプラスの影響を及ぼす。
 失業問題などの短期的なショックをやわらげることが重要。(p. 191)

短期的なデメリットを受け入れ,長期的なメリットを享受しよう。

 

チームマネジメント 古川 久敬

『チームマネジメント』(古川 久敬,日本経済新聞社,2005年2月14日発行)を読了。

「これからは,一人のスーパースターに頼っていればよい時代ではない。関係者のしっかりとした協同から新たな発想や創造性は生まれる。チームワークが鍵を握っている」として,社内のチームビルディングにてこ入れし,チームワークの醸成,すなわちチームマネジメントに力を注ぐ経営者が,業種を問わず出てきています。そしてそういう会社は勢いを取り戻し,その結果として業績は確実にん伸びています。(p. 18)

弊社でチーム制が採用されているのは,かつての勢いを取り戻そうとしているからか。
勢いを失いそうなとき,チームの再構築が必要となるのだろうか。

 リーダーは的確な判断と選択を行い,ビジョン提示と方向づけをし,チームに創造的な着想を注入します。しかしこれだけで,所期の成果を得ることはむずかしい。(p. 35)

チームに成果をもたらすことができるリーダーへの,ハードルが高い。

 コミュニケーションは,必ず手間や時間,労力や根気を必要としまう。人の話をよく聴くことは,相当のエネルギーを消費します。もちろん,自分の考えやアイディアをよく整理して他者に伝えることも同様です。(p. 58)

自分の考えとアイディアを整理して,理解してもらうように伝えることは,予想以上にハードルが高い。

 チームや組織を変革する際に,「やはり外圧が一番効果的である」と信じられています。これも根拠を持っており,その効果の源泉は「外的動向の利用」です。ライバル会社の動きは「よそもやっている」という格好の口実になります。やや極端な話ですが,外圧は,経営不振や慢性赤字,倒産のときに最大化し,内部は,速く,大きく変えることができます。(p. 93)

内側から変わるのは難しい。
だから,2011年以降の電力業界への圧力は,変わるチャンスと捉えなければならない。

 メンバーが迷い,悩み,不安を持っているとすれば,四つの状況のいずれかに陥っているときです。つまり① 困難にぶつかっているとき,② 状況が曖昧なために整理がついていないとき,③ 状況が変化しているとき,そして④ 何かが足りないとき,です。(p. 178)

状況が曖昧なことが多いかもしれない。
次は,何かが足りないときだろう。

チームマネジメント (日本経済新聞出版)

チームマネジメント (日本経済新聞出版)

 

 

きみはダイジョブ? 石田 衣良

2020年6月4日更新

『きみはダイジョブ?』(石田 衣良,日経プレミアシリーズ,2013年11月8日発行)を読了。

 一度,社会の逆鱗のスイッチがはいったら,もうまともな理屈や常識などおかまいなしである。容赦ない攻撃に徹底してさらされることになる。理由などあやふやでもかまわない。なんとなくあいつは悪いやつだ,嫌なやつだという程度の社会的な空気感で,血祭りにあげられてしまうのだ。(p. 22,『正義のゲキリン』)

社会が理屈や常識を失ってしまうのは,その社会を構成する一部の人の問題か。

 今のうちにもっと本を読んでおくといい。読書で得た力はつぎの 20 年を支える柱になる。作家になったら,ほとんど休みはない。好きな本を寝そべって読みふけり,夏空を半日見あげてすごす贅沢は許されないのだ。(p. 42,『25 回目と 52 回目の夏』)

本を読むのは,明日のためでなく,数年後のためである。

「知性というのは,そういうときのためにあるものだ。原子力を管理運営する団体に反対派と容認派をいれて,技術的な裏づけをとりながら徹底的に議論する。そうして意思決定がおこなわれ,初めて理性的な民主国家といえるんじゃないかな。きみもそうだが,日本人は議論を避けすぎる」byジャン=ジャック (pp. 137 - 138,適切なディスタンス)

技術的な議論を徹底的に行う。
技術者として,それが最も大事。

 リヴィジョニストは歴史修正主義者。すでに定まった歴史的評価を覆す者という意味だ。たとえばナチスによるユダヤ人虐殺は存在しなかった主張するドイツの極右政党などに使用される。侵略に関する定義はないという総理の発言も,従軍慰安婦に関する橋下徹大阪市長の記者会見も,海外から見れば一緒くたのリヴィジョニスト的妄言と見做されてしまうのだ。(p. 170,『アベノミクスの死命』)

すでに定まった歴史的評価があっても,それが誤っていれば修正する。
それは,当たり前のことなのではないか。 

きみはダイジョブ? 日経プレミアシリーズ

きみはダイジョブ? 日経プレミアシリーズ

  • 作者:石田 衣良
  • 発売日: 2013/11/09
  • メディア: 新書
 

 

【BBQ】2020年バーベキュー初戦

2020年6月3日更新

2020 年,初めてのバーベキューを自宅のガレージで行った。
そのときのバーベキュー食材について,報告する。

炭台は U 字溝(U-150),焼き台は鉄鋳物のロースターを 2019 年に引き続き使用している。

あらびきウィンナー

2 割引されていたあらびきウィンナーをそのまま焼いてみた。
バーベキューにおけるウィンナーは,やや割高感はあるけれど,失敗は少ない。
2020 年のバーベキューでは,色々なウィンナーを食べ比べてみたい。
※今回のウィンナーの銘柄も記録しておけばよかった。

鶏ムネ肉のテリヤキ

スーパーで売っていたステーキ味の鶏のムネ肉を焼いてみた。
味付きの肉は,バーベキュー前の準備作業を省力化できるため,お得感がある。
ムネ肉のため,ややジューシーさに欠けるが,一切れのサイズは大きめで,食べ応えは十分であった。
また,品名にもテリヤキと謳われていたが,確かに照りもある。

あらびきウィンナーと鶏ムネ肉のテリヤキ

あらびきウィンナーと鶏ムネ肉のテリヤキ

ブリの塩焼きと牛肉&ニンニクの芽

ブリの塩焼きは,今回のバーベキューにおける唯一の下ごしらえしたメニューである。
ブリ切身に塩をふり,1 時間ほど風通しのよい場所においておいた*1
写真撮影はできなかったが,ブリ塩焼きのトッピングとして,大根をおろしておいた。
この時期のブリは,旬ではないため,脂が少なく,やや物足りなさと感じた。

一方,牛肉&ニンニクの芽は,味付きでスーパーに売っていた。
下ごしらえの手間が省けるとともに,若干ではあるが緑の食材をバーベキューにもたらすことができるため,コストパフォーマンスは高い。
また,牛肉の脂は十分過ぎるほどであった。

ブリの塩焼きと牛肉&ニンニクの芽

ブリの塩焼きと牛肉&ニンニクの芽

焼おにぎり

天かすと麺つゆをまぜたご飯をおにぎりにして,焼いてみた。
炊き立てのご飯だったので,ふっくらモチモチの印象。
ただし,焼おにぎりとしては,やや香ばしさに欠けるか。
醤油を塗りながら焼いていけば,香ばしさが増すかもしれないが,それは次回への課題としたい。

天かすと麺つゆの焼おにぎり

天かすと麺つゆの焼おにぎり

まとめ

2020 年のバーベキューシーズンは,ここに開幕した。
新型コロナウィルスの影響で,2020 年中はバーベキューテクニックを披露する機会は少ない(あるいは,全くない)かもしれないが,バーベキュースキルの自己研鑽は続けていきたい。

 

 

 

*1:一夜干しならぬ,一時干しである。

「すぐやる人」になれば仕事はぜんぶうまくいく 金児 昭

2020年6月3日更新

『「すぐやる人」になれば仕事はぜんぶうまくいく』(金児 昭,あさ出版,2002年12月16日発行)を読了。

  1. 正確さ(アキュラシー= accuracy )
  2. 迅速さ(スピード= speed )
  3. 誠実さ(インテグリティ= integrity )(p. 4)

「正確さ」「迅速さ」「誠実さ」を意識する。

 待ち時間は,予定を考える時間,愉快なことを想像する時間,本を読む時間などにあてる。イライラすることもなく,情けない気持ちになることもなく,待ち時間を有効に使うこともできる。(p. 50)

待ち時間を有効に活用するために,本を持ち歩く。

「私は天才でも秀才でもなかったが,どう仕事をこなすかに焦点を合わせることができた。私より頭のいい研究者は何人もいたが,彼らは論文をまとめられなかった。実験結果から研究の論文を出すまでに至らなかったからだ。その点,私はせっかちだったので,結論に到達できた」by GE 社 ジャック・ウェルチ前会長(pp. 61 - 62)

実験結果が出れば,それをしっかり整理して,論文にしなければならない。

「できることから」すぐに始めることで光を放つケースは,仕事の上でも,人生の中でもたくさんあるように思えるのである。(p. 97)

目の前にある「できることから」すぐに始める。

 私はどんな嫌な仕事であっても,ほんの少しでも楽しくやれる方法がないかを考えることにしている。(p. 116)

楽しくなければ,仕事をやっていけない。

 野球に限らず,どの分野でも,プロは仕事を簡単にする力をもち,アマは物事を複雑にしてしまう傾向がある。(p. 123)

物事を簡単に考えることがプロの仕事である。

「すぐやる人」になれば仕事はぜんぶうまくいく

「すぐやる人」になれば仕事はぜんぶうまくいく

  • 作者:金児 昭
  • 発売日: 2002/12/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

突破力!仕事の「壁」は,こうして破れ 堀 紘一

2020年6月2日更新

『突破力!仕事の「壁」は,こうして破れ』(堀 紘一,PHPビジネス新書,2006年5月8日発行)を読了。

 物事がうまくいかないときには,その原因を周囲や他人に求めてしまいがちだ。でもそこで,ちょっと立ち止まって考えてみてほしい。物事が初めから理想通りにいくことなど,本来,あり得ないということを。まずは自分が創意工夫や努力をし,それに周囲が反応してくれて,やっと状況が理想に近づいていくほうが普通だ。(p. 19)

物事がうまくいかないのには,自分の創意工夫や努力が足りないものと心得る。

 努力をしているのに,時間をかけているのに報われないという人は,もう一度,自分の仕事のやり方を見直してほしい。そして,よくできる先輩や上司に相談して,目標設定の仕方やそこに至るプロセスについて,軌道修正のアドバイスを受けてみるといいだろう。そうすれば,いつか必ず芽が出るはずだ。(p. 31)

うまくいかないときは,軌道修正が必要である。
誰かに相談するのが第一歩かもしれない。

 マニュアルを超えるところに,人間が人間たるゆえんがある。マニュアル通りにやるのではなく,そこに自分らしい一工夫を加えてみよう。そうすれば,つまらないと思っていたルーティンワークでも,案外,面白い発見があるはずだ。(p. 39)

マニュアルに一工夫を加えてみることで,ちょっとだけ改善される。

 私は,ハーバードに留学していたとき,「問題解決をするときには,まずあらゆる選択肢を考えろ」と教えられた。現実味のない案,可能性のない案も含めて,すべての選択肢を並べる。そこから,問題解決に最適な案を検討していくのだ。こういう思考法をトレーニングしておくと,ピンチに陥ったときにも,ものすごく役に立つ。(p. 56)

あらゆる選択肢を並べて,そこから最適なものを検討し,選択していく。

 そういう意味では,自分の考えをわかりやすく,きちんと伝えられる人が,大きな成果を挙げる名リーダーになれる。そのために身につけるべき能力は多々あるが,私が何より大事だと思うのが「国語力」。わかりやすく伝えなければ,部下は動いてくれない。(p. 100)

考え方をわかりやすく伝えることを考える。

 私は,部下を叱る際,まず起こった現象について,ノートに書き留めるようにしている。そして,それについて一週間ほど熟考し,その現象の背後にある問題の本質を捉えてから,部下を呼び出して注意している。すると,彼も「納得」し,同じミスを繰り返さないようになる。一つのミスで一週間だ。しかし,部下の成長を思えば,うまく叱ってやることはリーダーの条件の一つといえる。(p. 109)

現象を叱るのではなく,その現象の背後にある問題の本質を叱る。

 起業するのは,それこそ血の滲む,夜も眠れないような日々が始まることを意味する。その苦労はサラリーマンの比ではない。私に言わせれば,まともにサラリーマンもできない人が,アントレプレナーになれるわけがないんだ。ましてや,働きもしない君の夫など,言語道断だろう。(p. 158)

起業するという血の滲む,夜も眠れない日々には耐えられない。
サラリーマンの道を邁進していくのみ。

 仕事でも恋愛でも,「たくさん失敗しなければ,大した人生は送れない」。そう肝に銘じて,つねに前を向いていってほしいものだ。(p. 163)

失敗しなければ,大した人生にならない。
だからこそ,失敗し続けるしかない。

 これは,能力とお金の関係にも当てはまる。自分に能力やスキルという実体がなければ,影であるお金は生まれない。逆に,能力という実体が備われば,「いらない」と言っても,お金はついてきてしまう。(p. 168)

お金を稼ぐことよりも,能力をつけることを優先する。

 人生には,いくつも「壁」がある。壁にぶち当たったときには,安易にそこから逃げずに,苦悩しながら一つ一つ壁を突破していってほしい。そうすれば,きっと後悔しない良い人生が送れると思う。これが,私から君たちへのラスト・メッセージだ。(p. 204)

壁にぶち当たったときは,逃げずに突破していく。
壁は突破していくために,そびえ立っていると思うようにしよう。

突破力! (PHPビジネス新書)

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  • 作者:堀 紘一
  • 発売日: 2006/04/19
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大相撲新世紀 2005 - 2011 坪内 祐三

2020年6月1日更新

『大相撲新世紀 2005 - 2011』(坪内 祐三,PHP新書,2012年5月1日発行)を読了。

 若貴ブームは力士の大型化と重なるが,その大型化によって相撲がつまらなくなったように私は感じた。
 だから朝青龍の登場は新鮮だった。
 朝青龍が圧倒的に強くなっていく頃から私の相撲への関心は復活した。(p. 17)

大型化した相撲界に,圧倒的なスピード感を持ち込んだ朝青龍は,時代を切り拓いたヒーローだろう。

 朝青龍がいなかったら大相撲の世界はどうなっていただろう。群雄が割拠し,ブームが復活していただろうか。
 私はそうは思わない。
 朝青龍がいてくれたからこそ,大相撲はギリギリ,あの程度の凋落で待ったのだ。(p. 28)

ヒール役の朝青龍がいたからこそ,あの程度の凋落だった。

 朝青龍は,自分はとても小心者である,と以前から口にしていた。
 小心者であるから,自分を打ち負かす可能性を持った力士が現れたら,その可能性が実現する前に,自分の怖さ(強さ)をその力士に見せつける(朝青龍は天才としか言いようのない身体能力を持っているのに一方でそのように小心である所が魅力的だった――だからその朝青龍八百長と批判していた武田某には一体朝青龍の相撲を本当に見たことがあるのかと言ってやりたかった)。(p. 58)

朝青龍の身体能力は,群を抜いていた。
それに匹敵する身体能力を持つ白鵬が同じ時代にいたというのが,まさに宿命。

 つまり相撲人気が本格的に復活するための,大事な地方巡業だったのだ。そういう勢い,時代の風を,一番の役力士横綱である朝青龍がまったく感じていなかったことに,最大の問題がある。よし自分が中心になって頑張ろうと思うべきだったのだ。(p. 99)

朝青龍は,自分に求められていることをわからなかった。
いや,わかろうとしなかった。

 白鵬の相撲は,強いというよりも,単に負けない相撲のように思えた。いわゆる華というものをあまり感じなかった(その点で,少年時代にいだいた大鵬への印象と似ている――私は断然柏戸派だった)。(p. 196)

華がない,けれども,負けない。
負けないというのは,やはり一つの華だろう。

 その意味で白鵬の連勝記録を六十三(それは神話世界の力士谷風とタイ記録だ)で止めたのが稀勢の里だったのはとても物語的だった。
 稀勢の里は最近の若手力士には珍しく銀幕感のある関取だ。だから彼は根強い人気があるのだろう。(p. 202)

ついに稀勢の里横綱になった。
連勝記録を止めたのが,稀勢の里のハイライトだとしたら,とても寂しい。

 こう見てくれば五回のピークは必ずといっていいくらい,日本国家あるいは社会の危機に一致する。安定期に大力士が現れたためしがない。しかもやがてピンチを克服する胎動を内に秘めた民族の予兆とも取れる。(p. 271)

大力士が現れるタイミングは,あまり日本国家あるいは社会の危機に一致しないのではないか。
平成の大横綱である貴乃花の例がある。

大相撲新世紀 2005-2011 (PHP新書)

大相撲新世紀 2005-2011 (PHP新書)

  • 作者:坪内 祐三
  • 発売日: 2012/04/14
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