Masassiah Blog

現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

WEDGE 2022年1月号

WEDGE 2022年1月号を読み,気になった点を抜粋。

日本の借金膨張が止まらない。世界一の「債務大国」であるにもかかわらず,新型コロナ対策を理由にした国債発行,予算増額はとどまるところを知らない。だが,際限なく天から降ってくるお金は,日本企業や国民一人ひとりが本来持つ自立の精神を奪い,思考停止へと誘う。このまま突き進めば,将来どのような危機が起こりうるのか。その未来を避ける方策とは。"打ち出の小槌" など,現実の世界には存在しない。(p. 18)

借金を重ねて,支出を増やす日本,日本国民を救うための政策が,国民の自立精神を奪わないことを祈りたい。

かくして,財政は「税は少なくサービスは多く」といった主張に股裂きにされ,財政民主主義も不徹底。政府ばかりが肥大化する「異形の民主主義」に向かっているように思われて仕方ない。(p. 27)

「税は少なくサービスは多く」という矛盾した主張には与しない。

金利の罠は,民間企業にも及んでいる。低金利下では,社内の人材投資や労働生産性の高い人材への賃上げを怠ってもひとまず経営は存続できるため,高収益を目指す経営努力が散漫になりがちだ。しかし,いつまでも経営努力を行っていては,企業の成長も日本経済の成長も実現しない。労働分配率の向上は,政府の政策だけでは実現しないため,民間企業も巻き込んで進めていく必要がある。(34 ページ)

金利のぬるま湯につかっているうちに,ゆでガエルになってしまうのではないか。

改革を実行に移すために重要なことは,人口減少・少子高齢化が本格化する中で,「われわれは歴史的な大きな転換点にいる」という認識を,政府・国民双方で共有することである。

さらにいえば,日本の過去の歴史的転換期における制度改革では,中国大陸(唐)や欧州,米国といったモデルが必ず存在した。だが,世界における人口減少・少子高齢化のトップリーダーは日本であり,われわれでその答えを探し,今後多くの先進国が突き当たる課題の新たな "モデル" となることが求められているのである。(43 ページ)

人口減少・少子高齢化という答えのない課題に向き合うしかなく,繁栄していきたいのであれば,それらの課題を乗り越えるしかない。

増税と経済の話は,「鶏が先か,卵が先か」の議論が多すぎる。「消費増税のせいで消費が落ち,家計の収入は減り,経済も成長できない」という声があるが,そもそも企業が魅力ある商品・サービスを生み出せば,世の中から評価され必ず売れ,そして利益を生み出す。それは結果的に国家の税収増にもつながる。(p. 45)

増税を先延ばしにすればするほど,借金は膨らみ,問題は大きくなっていく。

いつ増税するの,と政治家に聞いてみたい。

本を読み,自らの考えを論理的に相手に話し,それらを文章でも表現できる――。大学のみならず,経済活動を行う企業などの組織に置き換えても本質は同じである。(56 ページ)

読み,書きは,今も昔も大事な要素であり,愚直に力を磨いていく。

裁判を傍聴したユダヤ人の政治哲学者ハンナ・アーレントが「悪の汎用さ」という言葉で表現しようとしたのは,命令を忠実に実行するだけの従順な役人,思考能力を喪失した組織の歯車が引き起こす途方もない犯罪のことだった。凡庸な人間が職務に忠実であることによって巨大な悪の加担者になってしまう危険性を指摘したアーレントの洞察は,現代の官僚機構がはらむ恐るべき破壊力への警鐘として広く受け入れられている。(p. 68)

正しい命令を下せるような政府であればよいのだが,と思うしかない。