2020年7月18日更新
『組織行動の「まずい!!」学――どうして失敗が繰り返されるのか』(樋口 晴彦,祥伝社新書,2006年7月5日発行)を読了。
問題点の本質を正確に把握できれば,その 8 割は解決したのも同然であり,取るべき方策は自ずと浮かび上がってくる。誰でも思いつくような対策案を延々と書き並べて,本書の内容を水増しするような真似は,私の好むところではない。(p. 4)
問題点の本質を正確に把握することで,対策を浮かび上がらせる。
当初は不必要な規則に対してのみ違反が行われるが,いずれは絶対に守らなければならない安全規則にまで違反が及ぶ。これは,規則違反が日常茶飯事となることにより,規則それ自体の「重み」が失われてしまうからだ。規則やマニュアルを無用に増加させると,かえって現場の規範意識を後退させる危険性があることに注意が必要である。(p. 41)
規則やマニュアルを無用に増加させてはいけない。
基本的な考え方を,規則として,それを理解して行動してもらうようにする。
つまり,組織内で文書類が必要以上に増加するのは,本来は現場を支える立場であるはずの総務・企画部門が,逆に現場に対して支配的な傾向を強めている証左である。文書が分厚いほどよいという文系的価値観,いわば「『紙』様信仰」を現場に押し付けているのだ。(p. 43)
『紙』様信仰に陥っていないか,要確認。
既に費消されてしまって今さら回収する方途がない資金を,経済学の用語でサンク・コスト(Sunk Cost : 埋没費用)と呼ぶ。(p. 190)
埋没費用は,悔やんでも取り戻せない。
だから,別の道に進むしかない。
失敗学では「悪魔は細部に宿る」という格言がよく使われるが,大きな事件や事故を防止するためには,細部に潜む「悪魔」を見つけだし,排除していくことが必要とされているのだ。(p. 207)
細部の悪魔を排除していくことが,大きな事件や事故を防止する。