2020年2月7日更新
『この国の「問題点」』(上杉隆,大和書房,2011年7月15日発行)を読了。
きっと,日本人は見たいものが見たいに違いない。自己判断のできない横並び意識を発揮し,一緒に赤信号を渡れば危険なことは起こらないと思考停止しているのです。(p. 8)
福島第一原子力発電所の事故も日本人の特性により起きたのだろうか。だとすれば,日本人は自分のこととして,受け止めることも必要なのではないか。
競争がない温存された状態で電力事業を続けた結果,使用済み核燃料の再処理のツケを私たちに払わすだけでは飽き足らず,今またお得意の「電気の安定供給」を振りかざし,計画停電という愚策で国民を苦しめているのです。(p. 37)
「電気の安定供給」は錦の御旗である。計画停電はやむをえないものであり,決して愚策ではない。見方が偏りすぎなのでは。
民法テレビ全体で使っている消費電力は大口事業主としても小さいものではありません。テレビが停波することで,大きな節電効果を見込めるだけでなく,国民の節電意識をさらに高めることにもつながるでしょう。(p. 53)
テレビは節電だけでなく,環境にも配慮して,放送を停止することがあってもよい。
新聞やテレビは,自分が言っていることを正当化するために,とても便利な魔法の言葉を持っています。それが「民意」です。この言葉を使った途端に,ニュースキャスターの話していることが,一瞬,とてもよいことのように思え,説得力のある意見に変換されるのです。(p. 63)
「民意」とは何人の意見なのか。一部の人の意見だけならば,「民意」と言えない。「民意」という言葉で,真の「民意」とは違う方向へ誘導していないだろうか。
予算も同じで,官僚がつくる政治家向けのやたらページ数が多い資料には,その政策の費用対効果は書かれていません。書かれているのは,政策の趣旨と政策の説明,予算規模など。これでは,どの政策が何について効果があるのか,コストパフォーマンスはよいのかどうか判断しづらいのです。(p. 106)
政策を選らんでもらえるように,効果とコストパフォーマンスを簡潔にまとめてもらいたい。
しょせん法律は,人が作るもの。国のためや役人のために法律があるわけではなく,本来は生活する国民全体のためにあるのです。それをうまく吸い上げる仕組み,それが陳情なのです。(p. 158)
陳情(ご意見箱 等)があるから,法律や規則がいい方向に導かれる。