2020年9月16日作成
『大前の頭脳 「産業突然死」時代を生き抜く知恵』(大前 研一,日経 BP 社,2009年7月20日発行)を読了。
ところが,日本の場合はマイノリティー・インタレスト(少数の利益)の状態がいまも続いている。現在の投票パターンでは,「マイノリティーがマジョリティーになる」という皮肉な民主主義ができあがっているからだ。したがって,サイレント・マジョリティーは,ノイジー・マジョリティーに圧倒的に押しまくられてきた。(p. 24)
若者だけに焦点を絞った政策を掲げた時,若者の投票率がどれだけ上がるのか実験してみたい。
21 世紀の事業は,構想力がないと,その形が見えてこない。たとえば,ラリー・ページとともに共同でグーグルを創業したセルゲイ・ブリンの話を,創業当時に理解できた人間は数人しかいなかったはずだ。(p. 131)
21 世紀の事業に求められるのは,構想力。
構想(KOUSOU)――構想とはコンセプトよりもひとつ上位にある概念。構想>コンセプト>戦略>事業計画という位置づけになる。右脳と左脳を総動員し見えないものを見る事例に触れ,そのエッセンスを感じ取ることで自社の将来を KOUSOU する。(p. 135)
構想>コンセプト>戦略>事業計画の位置づけ。
事業計画を立てるよりも,戦略を練るよりも,コンセプトを創るよりも,難易度は高い。
これらの労働力不足問題に,実際の起業はどのように取り組んでいるのか。多くの企業は,退職年齢を迎えた人の雇用延長や,嘱託として再雇用するといった方法で解決しようとしている。若者や中途採用を増やしているところもある。だが,わたしたちからみれば,そんな程度の対策は問題を先送りしているだけといえる。(p. 154)
労働力不足問題に対しての対策は何か。
生産性向上以外のアプローチを考えてみたい。
しかし古い法律が網の目のように張り巡らされているために,革新的な,あるいは抜本的な法律を通すということは「ラクダが針の穴を通り抜けることよりも難しい」のである。こういう事情があるために,役人に都合のよい法律ばかりができるのである。(p. 164)
規制緩和というものの,規制が緩和されていると実感が持てないのはなぜか。
米国と日本のシステム会社を比較すると,「日本の致命的な弱さに通じる」とわたしは強い危惧を感じざるを得ない。せっかく製造部門で労働生産性を高めても,そういうところが足を引っ張って競争力を失わせることになってしまうのだ。(p. 180)
日本と他国のシステム会社の労働生産性は,どれほど違うのだろうか。