『自分の時間』(アーノルド・ベネット,三笠書房,2016年5月11日)を読了した。
1 日 1 時間の変化が人生を変える
「1 日 24 時間を生きるにあたっては ”内省的な気分” (reflective mood) をもつことがきわめて重要である」
「自分の習慣を変えるには,全部変えようなどという大きなことをしなくても,1 週間に 7 時間か 8 時間変えればよい。すなわち,1 日に割れば 1 時間くらい変えることによって大きな変化が起きる」(p. 4)
1 日 1 時間を変えるだけで習慣は変わる。習慣が変われば,運命も変えられる。
大きな改革ではなく,小さな変化の積み重ねこそが人生を動かす。
朝の 1 時間は夜の 2 時間に匹敵する
2 時間,あるいは 1 時間でもよいから,早起きをしてみてほしい,ということだ。そして――どうしても早く寝ないと早く起きられないというのであれば――早く寝られるときは,なるべく早くベッドに入りなさい。
仕事以外の何かをやるという点に関しては,朝の 1 時間は夜の 2 時間に匹敵するのだ。(p. 19)
夜更かししている無駄な時間を減らし,早く寝て,早く起きる。
それだけで,仕事以外の活動に使える時間の質が大きく変わる。
朝は「まっさらな 24 時間」が手に入る瞬間
朝,目覚める。すると,不思議なことに,あなたの財布にはまっさらな 24 時間がぎっしりと詰まっている。そして,それがすべてあなたのものなのだ。これこそ最も貴重な財産である。(p. 24)
朝早く目覚めると,活動できる時間が長くなるだけでなく,精神的にも余裕が生まれる。1 日のスタートをどう切るかで,その日の価値が決まる。
職業以外の欲求は成熟の証
「職業としての仕事以外に何かをやりたい」という欲求は,ある程度,精神的に成熟した人たちに共通する。
この欲求を満たすべく努力しないと,「何かを始めたいのに始めていない」という焦りの感情が生じ,いつまでたっても心の平安が得られない。(p. 33)
この欲求を満たす努力を怠ると,「始めたいのに始めていない」という焦りが生まれ,心の平安が得られない。
自分にはまだこの欲求が十分に育っていない。成熟が足りないのだろう。
1 週間を 6 日として考える
長年の間,私は――実際,40 に近い歳になるまで―― 1 週間を 7 日として考えて計画を立ててきた。
ところが,私よりも年上で人生経験の豊かな人たちから,「7 日と考えるよりも 6 日として考えたほうが能率が上がり,より充実した生活ができる」と教えられることが一度ならずあったのである。(p. 58)
1 週間を 6 日と捉えることで,計画に余白が生まれ,生活の質が向上する。
「7 日フル稼働」を前提にしないことで,精神的なゆとりが確保できる。
人生を満たすのは日常の好奇心
人生とはすなわち好奇心であり,この好奇心を満たすものは日常の習慣や生活の場にあふれている。(p. 88)
人生を満喫するためには,好奇心を失わないことが重要である。
特別な出来事ではなく,日常の中にこそ発見がある。
葛藤を乗り越えた先に幸福がある
精神を統治する際の最も重要な要素のひとつは,まさにこの努力感なのである。一方ではやり遂げたいと思い,他方ではやりたくないと思う,心の中の葛藤が大事なのである。(p. 93)
やりたい気持ちとやりたくない気持ちの葛藤を乗り越えた先にこそ,幸福がある。
努力の感覚そのものが,精神を鍛える。
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