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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

2030年 すべてが「加速」する世界に備えよ

2021年6月2日作成,2021年12月3日更新

『2030年 すべてが「加速」する世界に備えよ』(ピーター・ディアマンディス&スティーブン・コトラー,ニューズピックス,2020年12月22日)を読了。

  • 第 1 章 「コンバージェンス」の時代がやってくる
  • 第 2 章 エクスポネンシャル・テクノロジー Part 1
  • 第 3 章 エクスポネンシャル・テクノロジー Part 2
  • 第 4 章 加速が "加速" する
  • 第 5 章 買い物の未来
  • 第 6 章 広告の未来
  • 第 7 章 エンターテイメントの未来
  • 第 8 章 教育の未来
  • 第 9 章 医療の未来
  • 第 10 章 寿命延長の未来
  • 第 11 章 保険・金融・不動産の未来
  • 第 12 章 食料の未来
  • 第 13 章 脅威と解決策
  • 第 14 章 5 つの大移動がはじまる

レイ・カーツワイルは 1990 年代に,あるテクノロジーがデジタル化されると,つまり「1」と「0」のコンピュータコードとしてプログラム化されると,とたんにムーアの法則にのっとって「エクスポネンシャル(指数関数的)な」加速が始まることを発見した。(p. 29)

エクスポネンシャルな加速が始まる前に,波に乗る。

エクスポネンシャル・テクノロジーの成長サイクルには 6 つのステージがある。「デジタル化(Digitalization)」「潜行(Deception)」「破壊(Disruption)」「非収益化(Demonetization)」「非物質化(Dematerialization)」そして「大衆化(Democratization)」だ。

デジタル化は,指数関数的な成長の始まり。

プレゼンスというのは新しい現象だ。これまで私たちの生活は物理法則に縛られ,五感に制約されていた。そうしたルールを書き換えるのが VR だ。VR は経験をデジタル化し,五感をコンピュータの生み出した世界に転送する。そこには想像力の限界以外に,現実を縛るものは何もない。(pp. 87 - 88)

日常生活に,VR を取り入れてみようか。

今日の 3D プリンターは元素周期表をほぼ制覇している。今では金属,ゴム,プラスチック,ガラス,コンクリート,さらには細胞,皮革,チョコレートなどの有機材料まで,数百種類の材料をフルカラーで印刷できる。(pp. 92 - 93)

3D プリンターが普及すれば,製造者という概念はなくなるのか。製造できなくても,設計図を持っていればよい。

加速を「加速」させる 7 つの力(pp. 114 - 147)

  1. 時間の節約
  2. 潤沢な資金
  3. 非収益化
  4. 「天才」の発掘しやすさ
  5. 潤沢なコミュニケーション
  6. 新たなビジネスモデル
  7. 寿命を延ばす

加速を「加速」させる力は,自分のものにしていく。

イノベーションが生まれるには,自由な時間が必要だ。数世紀前まで世界の変化が非常に遅かった大きな原因は,人々に新しいものを生み出すための時間がなかったからだ。(p. 117)

時間に追われずに生きていくことも可能な現代は,イノベーションが生まれやすい。

しかし変化の速度を本当に高めるためには,イノベーションが加速するだけでは不十分だ。このイノベーションを市場に投入する人間が必ず必要になる。非収益化のおかげで,企業の基本的ニーズ,すなわち電力,教育,製造,輸送,通信,保険,そして労働力のコストは劇的に低下している。(p. 129)

労働力のコストは劇的に低下していくということは,何もしなければ自分の労働力の価値は低下していく。自分の労働力を価値あるものに変えていかなければならない。

未来のショッピングセンターは言わば,パーソナリゼーション(個別対応)を徹底した「ハイパーコネクテッドなマイクロシティ」だ。(p. 175)

パーソナリゼーションを徹底するためには,その人のことをよく知らなければならない。(もしかすると,その人自身よりもよく知る必要がある。)

デンマークは 2017 年に紙幣の印刷をやめた。その前年には,モバイルバンキングを推進すると同時に,国内のグレーマーケット(非合法的市場)への資金供給を断つ狙いから,インドが現金の 86 % を回収している。ベトナムは 2020 年までに小売業の 90 % をキャッシュレスにしたいと考えている。スウェーデンではすでにあらゆる取引の 80 % がデジタル化されており,まもなく 100 % になるだろう。(p. 290)

私は紙幣をほとんど使用していない。クレジットカード,電子マネーQR 決済の三本柱で,ほとんどの取り引きができてしまう。

今まさに材料科学が太陽光発電と融合し,ソーラーパネルの製法やその性能が変わりつつある。たとえば「量子ドット」と呼ばれるナノスケールの半導体の塊が,太陽電池に使われはじめている。重要なのはエネルギーの変換効率だ。通常の太陽電池は太陽光の光子一つをエネルギーの電子一つに転換する。一番高性能のパネルでも入ってくる太陽光のエネルギーへの変換効率は 21 % 前後だ。一方量子ドットではそれが 3 倍になる。一つの光子が三つの電子になり,変換効率が 66 % に高まる。(pp. 321 - 322)

太陽電池のコストが下がること,変換効率が上がること,そして蓄電池の性能が上がれば,エネルギーの地産地消は,夢ではなくなる。むしろ,必ず来る未来として,認識しておくべき。

テスラの電池は,大規模な使用も可能なことが証明されている。2018 年,オーストラリアの太陽光・風力発電施設の改良プロジェクトで,テスラは史上最大のバッテリー施設(100 MWh のエネルギー貯蔵能力)を 100 日足らずで建設した。(p. 324)

山を切り拓いて,送電線路を建設するよりも,大規模なバッテリー施設を建設する方が,はるかに容易でコストも安いだろう。

企業が業務の自動化を望む最大の理由は生産性だ。しかし生産性が最も高まるのは,人間を機械で置き換えたときではなく,人間が機械の性能を引き出したときであることは,繰り返し証明されてきた。(p. 337)

生産性を高めるためには,今のシステムの性能を存分に使いこなさなければならない。

視野を語るうえで重要なのは時間軸,つまりどれくらい先を見通すかだ。太古の昔に形成された人類の脳は,近視眼的にモノを考える習性がある。今日どうやってトラの襲撃を防ぐか,今日どうやって家庭の食料を確保するか,と。長期的に何かを考えるとしても,せいぜい「冬場を過ごせる暖かい場所をどうやって探そうか」といったことだった。要するに進化の過程で,私たちの将来に関する時間軸は 6 カ月程度に設定された。(p. 341)

太古の昔に形成された時間軸を超えてなければ,10 年,20 年先を見通すことはできない。

急速に変化する世界において,予防は人間の存在をおびやかすリスクを克服するカギとなるだろう。そして究極の予防は,適応力と機敏さを持つことだ。ただ私たちの社会は,適応力と機敏さを発揮するようにはできていない。社会を構成する組織や制度の大半は今とは異なる時代,すなわち規模と安定性が成功の指標となる時代につくられた。(p. 344)

規模と安定性が成功の指標となる時代に作られた組織や制度を再構築していかなければ,適応力と機敏さを発揮できない。

難しいのは先見性のあるテクノロジーを,すぐれたビジョン,すなわちすぐれた統治制度や市民レベルの協業と結びつけることだ。成功すれば,都市化は現代社会が抱える重要な問題の多くを解決する有効な手段の一つとなる。(p. 359)

テクノロジーとビジョンを結び付け,問題を解決していく。

そして最後の機会がセックスだ。ビデオデッキからインターネットまで,主要なコミュニケーション・テクノロジーの進歩を後押ししたのは常にポルノだった。次の波はまちがいなく VR だ。触覚テクノロジーと組み合わせれば,VR は五感で楽しめる経験となる。史上初の見て触れるポルノとなれば,中毒性のある神経化学物質が大量に放出されるのはまちがいない。(pp. 364 - 365)

テクノロジーの進化を加速させる原動力は,いつの時代もポルノだった。

学びには,二つの核となる要素がある。一つは心理的なもの,もう一つは物理的なものだ。心理面では「フロー」と呼ばれる意識状態に入る方法を身につけ,パフォーマンスを大幅に高めること(生産性,学習,創造力,協業や協力の能力を強化すること)で,変化に対応することができる。フロー状態では脳の基本的な情報処理能力がすべて強化されるので,思考のスピードを高め,スケールを広げられる。スピードとスケールは,エクスポネンシャルな世界で成功するための認知的必須条件だ。(pp. 384 - 385)

思考のスピードを高め,スケールを広げることで,加速する世界において,トップを目指していく。

流行りのテクノロジーの潮流や,「ブロックチェーン」「AI」「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」といった新しい流行語も,何が部品として存在しているか,そして,その部品同士がどうやってつながっているのかをよく知っておく必要がある。(p. 394)

しっかりテクノロジーの潮流を知り,それをうまく使いこなし,取り入れていく。