Masassiah Blog

Masassiah のブログです。主に読書で得た気づきをまとめています。

日本再興戦略 落合 陽一

2020年11月2日作成,2021年8月12日更新

『日本再興戦略*1』(落合 陽一*2幻冬舎,2018年1月30日)を読了。

つまり,新しいイノベーションへの方法論を探れる賢い天才が必要だということです。それをしなければ,国家主導のイノベーションと教育を行ってきた日本の研究・教育組織は,国際競争力を取り戻すことができない。(p. 21)

日本は賢い天才を育てようとはしなかった結果,国際競争力が衰えてしまった。

僕の座右の銘は「変わり続けることを変えず,作り続けることをやめない」ですが,最近気に入っているフレーズがあります。「指数関数的成長にとって,全ての点は,いつでも始まったばかりだ」というフレーズです。(p. 22)

指数関数的成長が期待できる分野に飛び込めば,いつでもスタートラインに立てる。

発信する内容もないのに,英語を学んでも意味はありません。むしろ,グローバル人材という言葉が広がったことで,グローバルに話ができるトコロテンみたいな人(右から左へ流すだけの人)が増えただけで,その分,実はコミュニケーションスピードが遅くなっています。英語だけできて中身のない人を雇うくらいなら,プロの同時通訳に任せたほうが正確ですし,仕事は断然早く進みます。(pp. 59 - 60)

いざ発信したくなったとしても,今ならある程度は英訳してくれる。
英語を学ぶことより,価値のあることは山ほどある。

これからお金を投資しないといけない若い人たちからお金を取るのではなく,老い先短い親から取ったほうがいいのです。しかし,拝金主義者たちの群れは,そのようには考えません。(p. 92)

老い先短い人から,お金を巻き上げる方法を考える。

今までの近代というマス世界=「1 対 N」の世界から,現代という多様世界=「N 対 N」の世界になると,「技術をオープンソース化していくこと」と「それをパーソナライズしていくこと」が一番のキーワードになります。そして,パーソナライズを支えるベーシックテクノロジーは何かというと,AI やコンピュータサイエンスと呼ばれるような,統計的に処理できて,コストがほぼゼロでコピーできる情報処理だと僕は思っています。

「最適化を目指せる」それこそが,これからテクノロジーによって起こる社会変化の本質なのです。(p. 112)

情報処理は,コストがほぼゼロで実現できる。
その意味を伝えていく。

今後の日本にとって,機械化はむしろ社会正義です。機械化に取り組んでいる人をおとしめようとしている人間がいたら,その人こそ労働力不足社会における正義に反しています。(p. 154)

機械化や効率化(省人化)を推し進めることに抵抗する人は,未来が見えていない。

今のうちから,人口減少・高齢化社会に対応した社会に移行できれば,日本は世界より 20 年先に行けます。そして,その仕組みを世界中に輸出することができます。つまり,日本はほかの国より,20 年助走が早くなるということなのです。(p. 182)

人口減少・高齢化社会という難しい課題だからこそ,立ち向かう価値はある。

リーダー 2.0 時代のリーダーの条件(p. 198)

  1. 弱さ
  2. 意思決定の象徴と実務権限の象徴は別でいい
  3. 後継者ではなく後発を育てる

自分一人ではなく,後発を育てることで,エネルギーを増大させる。

つまり,これからの時代は,複数の職業を持った上で,どの職業をコストセンター(コストがかさむ部門)とするか,どの職業をプロフィットセンター(利益を多く生む部門)とするかをマネジメントしないといけません。(p. 205)

プロフィットセンターの候補は,資産形成。

今のようなセンター試験型の場合,東大に入るには大半の科目で高得点を取らないといけません。となると,バランス型の人が多くなってしまい,何かの分野で突出した人が受かりにくくなります。(p. 213)

突出した人にならなければ,殻を打ち破れない。

しかし,これからは,ワークとライフが無差別となり,すべての時間がワークかつライフとなります。「ワークアズライフ」となるのです。生きていることによって,価値を稼ぎ,そして価値を高める時代になるのです。(p. 222)

(中略)

「ワークアズライフ」の時代には,運動も含めて,自らのストレスをマネジメントできるかどうかが,クリエイティビティと生産性を決定づけるのです。残業禁止などは本質ではないのです。(p. 224)

自分が存在することの価値を高めていく。

企業でイノベーションを起こすには,次々と新事業を起こすシリアルアントレプレナーも必要ですが,そうした人をサポートするシリアルフォロワーも必要です。しかし,ベンチャーの経営陣や採用担当は攻めの人が多いため,つい同じタイプばかりを評価し攻めの人材ばかりを採用してしまいます。大事なのは攻守の人材バランスです。会社のフェーズに応じて,攻守のバランスをうまく調整可能にするのが理想なのです。(p. 233)

私が働いている会社は,守りの人材がほとんど。
だからこそ,攻めの人材になれるように意識を変えていく。

最近,僕は「人類のよさは,モチベーションだ」とよく言っています。リスクを取るほどモチベーションが上がるというのは,機械にはない人間のよさなのです。(p. 244)

モチベーションをうまく持ち続け,新しい時代に向かって行きたい。

僕が大学という場にこだわり,大学での研究・教育に時間を割くのには理由があります。「教育して仲間を作らないとグランドデザインを実行することはできない。時代の変革は教育から始まる」と信じているからです。(p. 249)

グランドデザインを実行するためには,仲間を増やす。
企業の変革も教育から始まる。

人間への投資はもっとも価値が高い投資です。企業の寿命はどんどん短くなっていますが,人の寿命はどんどん長くなっています。一人の学生を育てれば,その学生が長期間にわたって世の中に対して価値を生み出してくれます。時代の転換期においては,学生を育てるほうが早いですし,効果的なのです。だからこそ僕は,世間の投資家が学生には見向きもしない中,学生を投資価値があるところまで育て上げることに意味を感じているのです。(p. 250)

時代を変える若者を育てていく。

時代が変わるときには,とにかく人を集めないといけません。同じ意識を持っている優秀な人間を増やさないといけません。そうして僕の弟子が横に広がり,僕の考えが世の中に浸透すればするほど,僕と僕の弟子には有利になっていきます。だからこそ僕は,寝る間を惜しんで,学生に教えたり,テレビに出演したり,本を書いたり,講演をしたりして,「日本再興戦略」を訴えているのです。(pp. 250 - 251)

同じ意識を共有できる仲間を増やす。

「ポジションを取れ。批評家になるな。フェアに向き合え。手を動かせ。金を稼げ。画一的な基準を持つな。複雑なものや時間をかけないと成し得ないことに自分なりの価値を見出して愛でろ。あらゆることにトキメキながら,あらゆるものに絶望して期待せずに生きろ。明日と明後日で考える基準を変え続けろ」と,以前 Twitter に書きました。

これが僕から読者のみなさんへの最後のメッセージです。

日本人の多くがビジョンを共有し,トライアンドエラーマインドセットに切り替えられたとき,日本は間違いなく再興し,そこには限りなく明るい未来が広がっていると信じています。(pp. 253 - 254)

 未来を基準に物事を考えていく。

(参考)グランドデザイン

国家や公的機関など,壮大な図案・設計・着想。長期にわたって遂行される大規模な計画。再興戦略。

日本再興戦略 (NewsPicks Book)

日本再興戦略 (NewsPicks Book)

 

*1:今,世界でもっとも注目される日本人科学者が描く希望の国のグランドデザイン

*2:1987年生まれ。メディアアーティスト。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了(学際情報学府初の早期修了),博士(学際情報学)