2021年3月8日
『両利きの経営 「二兎を追う」戦略が未来を切り拓く』(チャールズ・A・オライリー/マイケル・L・タッシュマン,東洋経済新報社,2019年2月28日)を読了。
マネジメントは確実に列車を定時運行させるのに対し,リーダーシップは適切な目的地に列車を確実に向かわせる。マネジメントは実践を,リーダーシップは戦略と変革を扱うのだ。(p. 70)
マネジメントできる人は,周りには何人もいるが,リーダーシップを発揮している人は,数人しか思い浮かばない。
リーダーシップを持つ人は稀少性が高そうなので,私はリーダーシップを持つ人になる。
以前であれば,経営陣は数十年かけて自社を軌道修正していくことが多かった。しかし,もはやそうもいかない。今日の経営者にとって,新しい能力を開発するか,崖っぷちに追い込まれるか。手を打つための時間はほんの数年しかない。(No. 87)
私が勤めている会社は既存事業の深化の途についたばかり。
数年で軌道を修正することができるだろうか。
ベゾスの哲学は,物販で儲けるのではなく,顧客の購買決定を手伝うことで儲けるというものだ。この哲学は今でも健在だが,これが第二のイノベーションに結びついた。すなわち,書評(レビュー)の提供である。(p. 93)
私が運営しているサイトやブログに,哲学は存在しているか。
哲学がないから,ページビューは伸びず,アフェリエイトで儲けられていないのではないか。
リーダーシップを長年研究してきたウォレン・ベニスは,「失敗する組織はたいてい過度に管理され,あまりリーダーシップが発揮されていない」と述べていた。両利きの経営では,リーダーたちは優れたマネジャーかつ優れたリーダーでなくてはならない。変化に直面して成功するために,組織は両方を兼ね備える必要があるのだ。(p. 169)
私が勤めている会社は,管理業務が多い。
監理業務が多いことが,リーダーシップを発揮できる人は少ないことの一因であるかもしれない。
アイディアの評価の基準(p. 268)
- 実際の顧客のペインポイント(痛点)に対応しているか。
- 十分に大きな市場に訴求するか。
- 適切なタイミングか。
- そのアイディアを追求する場合,当社がうまくやれるか。
- 長期的な機会を開拓できるか。それとも,すぐにコモディティ化してしまうか。
色んなアイディアを評価するときの参考にする。
卓越したリーダーの原則(pp. 330 - 337)
- 第一原則 心に訴えかける戦略的抱負を示して,幹部チームを巻き込む
- 第二原則 どこに探索と深化との緊張関係を持たせるかを明確に選定する
- 第三原則 幹部チーム間の対立に向き合い,葛藤から学び,事業間のバランスを図る
- 第四原則 「一貫して矛盾する」リーダーシップ行動を実践する
- 第五原則 探索事業と深化事業についての議論や意思決定の実践に時間を割く
リーダーになるため,最初に取り掛かるのは,心に訴えかける戦略的抱負を策定すること。
リーダーリップの実践方法(pp. 372 - 379)
実践しながら,リーダーシップを身につけていく。
戦略的刷新は片手間にやるべきことではない。(p. 379)
戦略的刷新を行うチームに属している人は,それに専念すべき。
イノベーションの時代を経営するには,一方で既存事業を「深化」して収益力,競争力をより強固にする経営と,イノベーションによる新たな成長機会を「探索」し,ビジネスとしてものにしていく経営の両方が求められる。(p. 390)
既存事業の「深化」と成長機会の「探索」が,イノベーションの時代を勝ち抜く方法の一つ。