2020年1月4日作成
『アフターデジタル2 UX と自由』(藤井 保文,日経 BP,2020年9月30日)を読了。
「新たな顧客体験(= UX : ユーザーエクスペリエンス : User Experience)を作り,顧客とアフターデジタル型の関係性を築くことがあるべき DX である」。別な言い方をすると,「UX を議論しない DX,顧客視点で提供価値を捉え直さない DX は,本末転倒である」ということをきちんと伝えたく,本書を書き始めました。(位置 No. 28)
顧客視点で提供価値を捉え直す。
属性データの時代は「人」単位で大雑把に捉えていましたが,行動データの時代では,人を「状況」単位で捉えることができるようになり,人間の自己認識や社会における人の在り方にこれまで以上に近づくことができるわけです。(位置 No. 304)
行動データにより,人を「状況」単位で捉えられるようになったとき,どんなことが可能になるか想像してみる。
日本をホワイトリスト方式から,ブラックリスト方式に転換できないか。日本の法律も万全ではないから,抜け道を見つけてうまくやっている人はいそうだが。
UX への注力がされていない DX,顧客の状況理解のない DX プラン,そうしたプロセスによるデジタル化は,まず成功することはない(位置 No. 646)
単なるデジタル化では,成功できない。
利便性はコピー可能である一方,ブランドは模倣が難しいため,時代に合わせて価値を再定義して技術を正しく導入すれば,アフターデジタル時代においてもより大きく成長することが可能である(位置 No. 1145)
弊社のブランドを再定義して,10 年,20 年先の成長を描いてみたい。
DX を行う企業は,まずシステムの先行導入やビジネスモデルの変更を考えてしまいがちですが,顧客との関係性の変化を捉えて価値を再定義することは何よりも率先して行われるべきである(位置 No. 1180)
顧客との関係性を考えることは,おろそかになっていた。2021 年は顧客との関係性を考え直そうか。
【幻想】保持しているデータそのものが財産だと思っている。(位置 No. 1563)
【現実】ソリューション化して活用できないと,持っていても意味がない(漏洩リスクと管理コストのみが発生する)
データを保持しているだけでは,漏洩リスクと管理コストが発生するだけである。
【幻想】社会レベルでの共有,または,他社とのエコシステムによってビッグデータ活用できると思っている。(位置 No. 1563)
【現実】データ突合には「目的設定と主導権争いとコストの壁」が立ちはだかり,1 社が目的を持って主導しないと実現は難しい。
色々な体系で整理されたデータを突き合わせるのは,コストがかかる。そこにどんな目的があるのかを考える。
【幻想】ペイメントデータさえ取れれば勝ちだと考える。(位置 No. 1575)
【現実】ペイメントデータで直接的にマネタイズする方法は限られ,ビジネスとビジョンに基づいた目的設定が重要である。
先立つものは,ビジョン。ビジョンなくして,マネタイズもできない。
UX の変革を中心に置かない DX は中身のない変革になりがちである(位置 No. 1668)
中味のある DX にするためには,UX を中心に考える。
UX とは「ユーザー(デザイン),ビジネス,テクノロジー(機能)の 3 つがそれぞれ関わり合うときに生まれる体験・経験」(位置 No. 1713)
どんな UX があったか,振り返ってみる。
「役に立つ」=機能的便益の有無
「意味がある」=自己実現的便益の有無
「役に立つ」「意味がある」を問い続ける。
日本がテクノロジーの恩恵を受けて進化していけるかどうかは,いかに企業家・ビジネスパーソンが善き精神を持って UX とテクノロジーを活用できるかにかかっている(位置 No. 2006)
善い精神なくしては,進化していくことはできない。
データを扱うすべての方々が認識すべきなのは,自分たちが実現するビジョンやサービスによって,世の中がどちらにも傾き得るということ(位置 No. 2082)
データをうまく使いこなせば,世の中をいい方向にも,悪い方向にも変えていくことができる。
「データやテクノロジーを使って UX を良くすることができたら,その自社が実現した UX 運用やデータ活用を,そのまま業務スタンダードとして外販する」というのは,アリババや平安保険も実施しています。(位置 No. 2723)
弊社の業務を変革できたら,それを外販することができるだろうか。いや,外販できるくらいまで,業務を磨き上げていくことを志向すべきか。
「デジタルでできること」の目線がそろっておらず,目の前の売上に危機感を抱いていない上に,漠然とデジタルに未知の恐怖感があるため,デジタル融合のメリットを納得してもらえない。(位置 No. 2744)
足元の課題として,「デジタルでできること」の社内での目線をそろえる。
2021 年 1 ~ 3 月では,1. と 2. をやりとげ,4 月以降に動き出せるようにする。
社内の意識改革や説得を通して,どのように会社全体で話を通りやすくするのか。(位置 No. 3028)
【地盤固め】DX の必要性と目的の認識をそろえる。
【目指す絵の確認】事業そのものだけでなく,ケイパビリティ取得や高 LTV モデルへの転換といった大義設定を行う。
【まずは経験する】失敗を恐れずなるべく早く開始してラーニングし,より具体的な成功への道筋を示すことで社内全体を巻き込む。
社内の意識改革ができるように,DX の必要性と目的の認識をはっきりさせておく。
「結局,変えていくのは自分たち。なら,自ら参画しよう」(位置 No. 3047)
何もしなくても,世の中は変わっていく。でも,自分がありたいように変えるためには,自ら変革に参画しなくてはならない。
![アフターデジタル2 UXと自由 [ 藤井 保文 ] アフターデジタル2 UXと自由 [ 藤井 保文 ]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/6318/9784296106318.jpg?_ex=128x128)
- 価格: 2420 円
- 楽天で詳細を見る