Masassiah Blog

現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

システム思考がモノ・コトづくりを変える 稗方 和夫・高橋 裕

2020年10月16日

『システム思考がモノ・コトづくりを変える デジタルトランスフォーメーションを成功に導く思考法』(稗方 和夫,高橋 裕,日経 BP,2019年10月7日)を読了。

あらゆるシステムがネットワークに接続することで複雑化した社会では,大量の機器制御や判断,意思決定のすべてを人間がコントロールすることはほとんど不可能だ。(位置 No. 170)

 大量の機器制御や判断,意思決定のうち,人間が介さなくてよいものを増やしていく。

人間は決定すべき事項が多くなると,カンと経験に頼るようになるといわれている。ヒューリスティックとも呼ばれるが,一般の人は通常,2 ~ 3 個の事項が絡んでくると「えいやっ」と物事を決めてしまうことがほとんどで,判断力のある人の場合でも 7 つを超えると論理的な判断が下せなくなるという。(位置 No. 193)

総合的に判断して,というが「えいやっ」と物事を決めているのではないか。

提供されるスペックに対してユーザーが感じる利便性でも非線形の関係は発生する。例えば 200 馬力の乗用車は,100 馬力の車に比べて利便性が 2 倍になっているというわけではない。技術的性能と利用者の利便性は比例しないことが一般的である。(位置 No. 318)

技術的な性能を追い求めすぎて,利用者の利便性をおろそかにしていないだろうか,と振り返ってみる。

システム思考では,必須の機能を「機能要求」,可能であれば実現して欲しいことを「非機能要求」として区別している。(位置 No. 575)

 必須の機能,あったらいい機能を切り分けて考える。

オズボーンのチェックリスト(位置 No. 1035)

  1. 「転用」他に転用できないか(Put to other uses)
  2. 「応用」アイディアを持ってこれないか(Adapt)
  3. 「変更」変更できないか(Modify)
  4. 「拡大」大きくできないか(Magnify)
  5. 「縮小」小さくできないか(Minify)
  6. 「代用」他のもので代用できないか(Substitute)
  7. 「置換」入れ替えることはできないか(Rearrange)
  8. 「逆転」逆にできないか(Reverse)
  9. 「結合」組み合わせるとどうなるか(Combine)

 新しい発想を生み出すための,考え方。

具体的には,経営層と事業部門,自社と取引先,上司と部下,新しいサービスベンダーなどのあいだで,利害関係と要求について共通認識を持ち,現在の技術や制度と要求との関係を正確に把握したうえで,ビジネストランスフォーメーションを進める議論ができる。特に,最先端技術を用いて,単なる自動化ではなく,新たな創業につながることすらあるデジタルトランスフォーメーション(DX)を成功に導くためには,このような議論が欠かせない。(位置 No. 1721)

 デジタルトランスフォーメーションを成功に導く道のりは険しい。