『マッキンゼーが解き明かす生き残るためのDX』(黒川 通彦,平山 智晴,松本 拓也,片山 博順,日経BP,2021年8月10日)を読了。
「マッキンゼーが考える DX(デジタル・トランスフォーメーション)の本質は,企業文化変革である」
企業文化変革とは,一言でいえば,企業が生き残るための破壊と創造です。(位置 No. 3)
企業文化を変革しなければ,生き残ることはできない。
私たちは,DX の本質とは,「生き残るための自社の企業文化の破壊と創造による企業価値の向上」だと考えます。もう少し説明を加えるならば,DX の本質とは「DX をきっかけに,世間の常識からみて,古くなった "自社の常識" を自ら破壊すること」。そして「従業員の意識,共通認識,行動様式を,時代に合わせて創造し直すこと」。その結果,「従業員が,消費者・顧客に選ばれ続けることを目的として,自律的に課題解決を行うこと」「最終的に,脅威が来たときに生き延びられるように,自社の企業価値を圧倒的に高めること」であると考えます。(位置 No. 15)
これまでも,「従業員が,消費者・顧客に選ばれ続けることを目的として,自律的に課題解決を行うこと」「最終的に,脅威が来たときに生き延びられるように,自社の企業価値を圧倒的に高めること」は,少なからず行われてきたと思うが,今の現状を鑑みると足りなかったと言わざるを得ないのか。
DX を阻む 3 つの症状(位置 No. 528)
- 現場主義の偏重
- CDO・CIO・専門家に頼り切り
- "レガシーからの脱却" が目的化
現場とトップとの間のミドルから始める DX はどうだろうか。
DX に成功している企業を見ると,実にその 6 割が「生産性改善」と「既存事業変革」「新規事業構築」の 3 つを包括的に実施していることがわかります。つまり,どれか 1 つのみに取り組んだのでは,DX を成功に導くことは困難となるのです。(位置 No. 685)
DX は「生産性改善」「既存事業変革」「新規事業構築」の三位一体。
日本企業に共通する,デジタル変革における特有の課題としては,「経営陣の同床異夢」「デジタル人材不足」「負の遺産(レガシーシステム)」「失敗が許容されない文化(アンチ・アジャイル)」の 4 つが挙げられます。(位置 No. 778)
デジタル人材不足はチャンス。私自身がデジタル人材になればよい。
DX の 5 つの成功要因(位置 No. 1001)
- 圧倒的に高い目標値の設定
- トップによる変革の主導
- 現場主導での変革の実行
- 徹底的な実行に向けた体制強化
- 組織健康度も統合して改善
まずは,高い目標値を設定することから始めよう。
トランスレーターとは,デジタル・アナリティクスと事業ニーズの間をつなげることで,事業変革を推進できるスキルを持った人材です。通常,ビジネスや業界の知見を保有し,現場のペインポイントを理解したうえで,デジタル技術を活用することで,どのような問題をどう解決できるかを設計できる人となります。(位置 No. 1091)
私が目指すべきは,トンラスレーターなんだろうな。
道具が問題を解決するのではなく,のび太くんの考え方が変わることで問題が解決することもあります。未来の道具は,あくまでも行動を起こすためのきっかけに過ぎないのです。
DX も同じです。テクノロジーを使って,行動を起こし,衝突を起こしながら,本当に会社が向かう方向はどちらなのかを探っていく旅なのです。(位置 No. 1501)
経営者の 7 つの掟(位置 No. 1708)
- CEO がデジタル変革(DX)のオーナーになり,常にビジョンを示して最後までリードする
- 10 年後の未来を見据えて,自社の競争優位を明らかにする
- サイロ化を解消し,DX 実行責任者に大胆に権限・予算を委譲
- 最初の一回しを連続して実施し,1 年以内に成功事例を作る
- テスト&ラーン――迅速に動き,学び,次に生かす
- 人材はただ投入するのではなく,能力開発をする(アカデミー)
- リーダーシップチームとしてロールモデルとなり,成功を称賛し続け,会社への展開を見届ける
10 年後に会社にいる可能性が小さい経営者(サラリーマン経営者)は,未来を見据えることができるだろうか。
デジタル変革には 2 つの原則が存在することを知る必要があります。1 つ目は,いち早く行動を起こした企業が市場の大きなシェアを獲得するということ,そして 2 つ目は,「勝者総取り(Winner takes all)」の原則で,各業界における先駆者とフォロワーのギャップはますます拡大していくということです。(位置 No. 1752)
金脈を見つけることはできないか。
現在はデジタル技術の民主化といわれる時代です。これまでのように専門家にしかわからない技術ばかりではなく,新しいテクノロジーは誰もが理解できるように作られ,またそれを教えてくれる情報ソースも豊富にあります。(位置 No. 1917)
ちょっとしたデジタル技術であれば,インターネットで公開されている情報でも色々なことができてしまう。
会社に長年いると,自社の業務をゼロベースで見直す機会は,ほとんどなくなってしまいます。自社も,取引先も,今ある業務プロセス・やり方が当たり前になり,非効率であることを他人に指摘されるまで気づきません。(位置 No. 1984)
今ある業務プロセス・やり方を当たり前だと思わない。
ベストなやり方は,あるものと思い,変わり続ける。
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