2020年10月15日
『THE TEAM 5 つの法則』(麻野 耕司,幻冬舎)を読了。
私たち人類,ホモ・サピエンスが絶滅せずに繁栄を遂げることができたのは,集団,つまりは「チーム」があったからです。
「チーム」を活用し,パフォーマンスを最大化させることは,人類の発展のために最も重要なことだと言っても決して大げさではありません。(位置 No. 62)
個の力を伸ばそうとするのではなく,チームの力を伸ばすように考える。
チームをチームたらしめる必要条件は「共通の目的」です。 (位置 No. 242)
チームで「共通の目的」を共有する。
「どうすれば目標を達成できるか?」 を考える前に,「どのような目標を設定するのか?」を定めることに,より力を注ぐべきなのです。(位置 No. 279)
新しいチームでは,目標設定から始める。
目標設定のトレンド(位置 No. 376)
- 意義目標 = OKR(Objectives and Key Results)
- 成果目標 = MBO(Management By Objectives)
- 行動目標 = 振り返り評価
今のチームは,行動や成果ではなく,意義が求められている。
チームに行動目標しか設定されていなければ,時にメンバーは「作業」の奴隷になります。チームに成果目標しか設定されていなければ,時にメンバーは「数字」の奴隷になります。しかし,多くのチームが意義目標の重要性を十分に認識していません。
意義目標を設定することによって,メンバーは自らの生むべき成果や取るべき行動について,意思を持つことができます。「何をやるべきか?」だけでなく「何故やるべきか?」が分かれば,新たな「何をやるべきか?」が見つかるからです。(位置 No. 376)
意義があれば,意思を持つことができる。
「採用は Y シャツの第一ボタンだ。Y シャツの第一ボタンがきちんととめられたとしても,他のボタンがきちんととめられる保証はない。しかし,Y シャツの第一ボタンがズレていたら,どれだけ頑張っても他のボタンがきちんととめられることはない。それと同じで,採用がうまくいったからといって組織がうまくいくとは限らないが,採用の失敗は他のどんな施策でも挽回することはできない」(リンクアンドモチベーション 小笹 芳央)(位置 No. 476)
採用の重要性を再認識。
「独裁」という意思決定手法も,最終的な意思決定を 1 人でするという手法であって,決して途中の議論をしてはならないということではありません。むしろ意思決定の前の議論は,過度に時間をかけすぎるものでなければ,適切な「独裁」の助けになります。(位置 No. 1763)
意思決定の前の議論により,独裁者もより良い判断ができるようになる。
F1 レースはコンマ 1 秒で争っていますが,どのチームも必ずピットインします。ピットインでロスする時間よりも,すり減ったタイヤで走り続けることでロスする時間の方が最終的には長くなるからです。
チームのエンゲージメントが低いまま走り続けるチームは,まさにすり減ったタイヤで走り続けるチームだと言えます。(位置 No. 2107)
タイヤがすり減っていないか,しばしば確認。
「偉大なチームには偉大なリーダーがいる」のではなく,
「偉大なチームには,法則がある」ということだったのです。(位置 No. 2133)
偉大なチームになれるよう,法則をつくる。
真の組織変革を実現するためには,経営と人事だけでなく,現場が主体的,自立的に組織を変えていく必要があります。
現場で働く社員ひとりひとりが自らのチームを変えていくことが大切なのです。(位置 No. 2139)
主体的,自立的なチームであれば,組織を変えていける。
アメリカの社会心理学者アーヴィング・ジャニスは 1972 年に「集団浅慮(もしくは集団思考)」という概念を提唱します。
「集団が選択肢を現実的に評価するよりも満場一致を優先させようとしたときに生じる,素早くかつ安易な思考」と定義されています。(位置 No. 2340)
満場一致を優先させるのではなく,全員が腹落ちすることを優先させる。