Masassiah Blog

現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

最強のデータ分析組織 河本 薫

2020年9月29日

『最強のデータ分析組織 なぜ大阪ガスは成功したのか』(河本 薫*1,日経 BP 社,2017年11月28日)を読了。

混沌とした現実問題に対し,「目的」だけを頼りに論点を整理し,その目的を達成するために効果的な「問題設定」ができる力。データ分析で得られた結果について,算出の前提条件や結果の不確実性まで踏まえた過不足のない理解をして,それを相手に分かりやすく伝わるように記述・説明できる力。自ら行ったデータ分析や他者によるデータ分析について,本質を突く質問や問いかけを切り出せる力。疑問をきっかけに,頭で整理した「理解」を再構造化できる力。いずれのメンバーもこうした能力に長けています。(p. 19)

まずは,問題設定からやってみる。

私たちにとってデータ分析は,問題を解く「手段」に過ぎません。問題を解くだけでは知見は得られても,「価値」は生まれません。データ分析で得られた知見をビジネスの現場で役立てられて初めて,価値が生まれるのです。(p. 23)

データ分析は,あくまでも手段。
データ分析で得られた知見を役立てることで,価値を産み出す。

「見つける力」「解く力」「使わせる力」の三つがデータ分析者には不可欠であるというのが,私の持論です。(p. 23)

見つけて,解くまでではなく,使わせるところまでがデータ分析者には求められている。

経営の視点から企業のビジネスモデル全体(森)を俯瞰してみる。すると売り上げに直結しているフローや大きなコストを要するフローなど,キャッシュフローの観点から見てインパクトが大きいフローが見えてきます。そのフローに着目し,それを業務単位に分解してみる。そのなかから影響が大きな業務を抽出し,改革すべき課題は何か,そこにはデータ分析で貢献できる機会がないのかを考えるのです。(p. 152)

経営の視点から俯瞰してみる。
枝葉のことはあまり考えない。

大阪ガスのような一般企業では,そういった力よりもむしろ,自社のビジネスにデータ分析を活用する着眼力やそれを実現するための行動力のほうが強く求められます。一般に「ビジネス力」と呼ばれるものです。(p. 179)

データ分析がフューチャーされているが,結局はビジネス力の方が大事なのか。

他社と交流することは,自らの実力を測る以外にもメリットがあります。一つは他社事例を聞くことで,新たなデータ分析のアイデアを思いつくことです。全く違う業種のデータ分析が,自社のデータ分析の着眼点になることはしばしばあります。(p. 187)

他社との交流は刺激になる。
可能な限り,社外との交流の機会を増やしていく。

私たちは事業部門から人材を選抜してもらい,データ分析の個別指導を行っています。それ以外にも大阪ガスでは,グループ全体まで含めた全社員を対象に,データ分析の教育プログラムを用意しています。(p. 195)

社内向けにデータ分析のやり方を統一したうえで,現業向けに,データ分析の教育はやってみたい。

「データと分析力を武器に社内イノベーションを起こすことをミッションとする組織」

「業務改善は事業部門にもできる。しかしイノベーション(業務改革)は事業部門だけでは難しい。データと分析力に強いビジネスアナリシスセンターが事業部門を手助けすることで,イノベーションを一緒に実現する」(p. 215)

今のチームにもミッションが必要ではないか。

社外人脈の価値(p. 284)

  1. お互いに「力を貸そう」と思える相談相手を社外に持つ
  2. 普段から社外の空気に触れ,自らの価値観や発想力が閉鎖的になるのを防ぐ
  3. 相手から一目置かれる存在になり,「この人とはきちんと向き合わなければいけない」と思ってもらえるようになる

社外人脈は大切にしていきたい。

手段は何であれ,イノベーションを成功させるカギは,リーダーが抵抗を乗り越えることに熱意を持つことと,戦術的に行動することだと思います。熱意の源泉は「やるべき」「やりたい」「やれる」の三つの信念です。(p. 291)

熱意の源泉は「やるべき」「やりたい」「やれる」の三つの信念。
熱意を持てるものを見つけよう。

最強のデータ分析組織 なぜ大阪ガスは成功したのか

最強のデータ分析組織 なぜ大阪ガスは成功したのか

  • 作者:河本 薫
  • 発売日: 2017/11/24
  • メディア: 単行本
 

 

*1:大阪ガス 情報通信部ビジネスアナリシスセンター所長