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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

改革者の真贋 さらば!「決断できない政治」 中田 宏

2020年3月13日

『改革者の真贋 さらば!「決断できない政治」』(前大阪市長大阪市特別顧問 中田 宏,PHP,2012年7月6日発行)を読了。

 結論に辿り着いても,反対派は「議論が尽くされていない」「拙速だ」という声を上げる。大変な剣幕で怒り「独裁」と罵ることもある。これは大阪の橋下徹市長への避難を見てもわかるだろう。
 それでもリーダーは決断をしなければならない。ましてや政治家ならば。
 下した決断に対する評価は,歴史に委ねればいい。だが,決断しているか,決断から逃げているか,その評価は,今,国民が下すべきだ。
 国民の括目の先に,改革者の真贋がある。(p. 4)

昨今の野党は,批判だけして,何も決断しない,そんな政党だ。

 国家など不要だ,我々は「地球市民」なのだから――と浮わついた感覚を離す人間がいる。だが現実は,まったく逆である。世界に出ていくと,お前はどこから来たのか,どんな文化的背景で育ったのか,と問われることになる。(p. 26)

自分の生まれた場所は変えられない。
そして,この場所で育った歴史も変えられない。

 たとえば市長ひとつをとっても,対応しなければならない範囲は広い。どれだけ能力が高い人間でも,すべての分野に精通しているというのは無理である。重要なのは,適切な知識がある人を集めて意見を聞くこと。その意見を聞いて決断すること。知識ある専門家とは,外部にかぎらず,市役所の職員にもいる。官僚の力を適切に利用するのが政治家である。(p. 51)

市長には判断を仰ぐ。
知識を駆使して,判断を仰ぐための材料を集め,それを説明する。

 「サーバント・リーダー」という言葉がある。人の上に立つ人間は,皆に仕えるつもりで高貴な気持ちで行動しなければならないという意味である。
 しかし,今の政治家はサーバント・リーダーではなく,単なるサーバント(召使い)に成り下がっているのではないか。(p. 58)

単なる召使いならば,誰でもなれる。
サーバント・リーダーたるべき人に,政治家になってもらう。

 そもそも,どんな仕事だって,時間のけじめをつけて仕事をしなければ,いい仕事などできない。期限を決めないで「いつかはする」「少しずつやる」と言うことは,「やらない」と言っているのと同じなのだ。(p. 229)

仕事のけじめをつけるため,スケジュールを描いてみよう。

 予算を消化しなければ評価されないという原理から,予算を余らせれば評価するという原理に変えたことで,職員の行動が変わったのだ。(p. 240)

資材部の価値観を変えることで,行動が変わるのではないか。

 ルールに価値を吹き込み,社会システムが人間のために機能するようにすること――それが政治家の役割なのだ。ルールが勝手に自己変革していくことはあり得ないのだから,政治家が変革への決断をするか,しないかが,人間を幸せにも不幸にもしていくことになる。(p. 241)

ルールを変革できるというのは,政治家に近い仕事である。
誇りをもって,規則などの改正に取り組んでみよう。

 いま評価されることを求めるのではなく,広く衆知を集めて将来のための決断に徹すること。それができるか否かが,改革者の真贋を決めるのだ。(p. 249)

将来のための決断,これをしてもらう。

改革者の真贋

改革者の真贋

  • 作者:中田 宏
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2012/06/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)