『超訳ニーチェの言葉』(フリードリヒ・ニーチェ,白取春彦編訳,ディスカバー,2010年1月15日発行)を読了。
疲れたらたっぷり眠れ(『漂泊者とその影』)p. 004
疲れたらたっぷり眠る,ニーチェと同じ。
精神が高まるほど繊細なものを喜べる(『漂泊者とその影』)p. 035
精神がより高く,健康に育っていくほど,その人はあまり突飛的な笑いや下品な高笑いをしなくなるものだ。軽率で破壊的な高笑いはほとんどなくなり,微笑みや喜びの表情が増えていく。
高笑いではなく,微笑み。
目標にとらわれすぎて人生を失うな(『漂泊者とその影』)p. 050
あれもやろう,これもやろう,それでは目標ばかりにとらわれることになる。
勝利に偶然はない(『悦ばしき知恵』)p. 061
勝利した者はもれなく,偶然などというものを信じていない。
たとえ彼が,謙遜の気持ちから偶然性を口にするにしてもだ。
勝利は必然である。
勝利するために必要なことをやる。
活発だからこそ退屈を感じる(『漂泊者とその影』)p. 070
なまけ者はさほど退屈を感じることがない。なぜならば,感性が高く活発な活動を求める精神を持っているからこそ,ふとした時間に退屈を感じるものだからだ。
退屈,と感じることができるのは活発だから。
四つの徳を持て(『曙光』)p. 077
自分自身と友人に対しては,いつも誠実であれ。
敵に対しては勇気を持て。
敗者に対しては,寛容さを持て。
その他あらゆる場合については,常に礼儀を保て。
誠実,勇気,寛容,礼儀。
安定志向が人と組織を腐らせる(『曙光』)p. 086
類は友を呼ぶというけれど,同じ考えの者ばかりが集まり,互いを認め合って満足していると,そこはぬくぬくとした閉鎖空間となってしまい,新しい考えや発想が出てくることはまずなくなる。
心の底には安定志向がある。
たまにはチャレンジしなければ,新しい考えや発想がうまれず,閉鎖空間に閉じ込められてしまう。
批判という風を入れよ(『人間的な,あまりに人間的な』)p. 095
批判がなければ,ぬるま湯につかることになる。
カリスマ性の技術(『悦ばしき知識』)p. 118
自分をカリスマ性を持った深みのある人間であるように見せたいなら,一種の暗さ,見えにくさを身につけるようにすればよい。自分をすべてさらけださないように,底が見えないようにするのだ。
影の部分を持つ。
切れ者でありながら鈍くさくあれ(『たわむれ,たばかり,意趣ばらし』)p. 126
切れ者だけではとっつきにくい。
鈍くさいところがあれば,とっつく隙となる。
読むべき書物(『悦ばしき知識』)p. 183
わたしたちが読むべき本とは,次のようなものだ。
読む前と読んだあとでは世界がまったくちがって見えるような本。
私たちをこの世の彼方へと連れさってくれる本。
読んだことでわたしたちの心が洗われたことに気づかせるような本。
新しい知恵と勇気を与えてくれる本。
愛や美について新しい知識,新しい眼を与えてくれる本。
読むべき書物に出会うために,たくさん本を読む。
よく考えるために(『漂泊者とその影』)p. 213
きちんと考える人になりたいのであれば,最低でも次の三条件が必要になる。
人づきあいをすること。書物を読むこと。情熱を持つこと。
これらのうちのどの一つを欠いても,まともに考えることなどできないのだから。
人づきあいをすることで,他人の意見を知る。
書物を読むことで,考えるための知識を得る。
そして,情熱をもってよく考える。