Masassiah Blog

現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

会社の品格 小笹芳央

2020年2月19日更新

『会社の品格』(小笹芳央幻冬舎新書,2007年9月30日発行)を読了。

 私なりの会社の根源的な定義 (pp. 23 - 24)
「会社というのは,いろんな人が自分なりの意味を投影する共同幻想体である」
「いろんな人たちの欲望を効果的に実現するために,人間が作った発明品である」

会社がなければ,欲望を実現できない。

社内でどんな言葉を使うのかは,組織の品格に大いに影響します。自分たちが無意識に使っている社内用語を,ぜひとも洗い出してみるべきです。そこに戦争メタファーのようなものや,顧客軽視につながる言葉が潜んでいるとすれば,非情に危険です。社会と隔絶していく可能性がある。社内で使われている言葉は,ひとつの検証の切り口になるのです。(p. 67)

言葉の使い方で,品格がわかる。

いわゆる「官僚的」「お役所仕事」などと言われるのは,まさにセクショナリズムの顕在化した例です。社会や顧客にとって,とても品格のある会社にはなりえない,ということになるのです。(pp. 73 - 74)

セクショナリズムが顕在化した当社は,社会やお客さまにとって,品格のある会社ではないだろう。

常に物事の数値化を求めるような上司のもとでは,組織はどんどん縮小均衡の方向に向かってしまいます。ところが,こういう上司がバブル崩壊以降,ずいぶんとはびこってしまっているという印象があります。数値化できないからゴーサインが出せない。証明されていないからゴーサインが出せない。そんな判断しかできない存在なら,もはや上司などいりません。誰でも替わってできる仕事なのですから。(p. 101)

数値化されてしまえば,コンピュータでも判断できる。
数値化される前段階で,方向性を示すことができるのが上司なのではないか。

そしてここで重要になるのが,部下が最前線で仕事をしている現場に足を運び,自分で実際に見て,実情を把握することです。その上で,自分の持つ理論と現場の実態とを,きちんと接続していく意識が必要です。頭でっかちにならないよう,末端の現場を意識し,自分の「足」で情報を集めなければなりません。(p. 107)

現場の実態を知らなければ,自分の理論が正しいかわからないはず。

上司になるということは,視界を一段上に上げる,ということなのです。今までは低い視界から見ていた世界を,ひとつ上の段から見渡せるようになるということ。逆にいえば,肩書きがついたら,世界を一段階上げて物事を見ることが求められるのです。(p. 110)

上司になっても,平社員と同じ視界のままではダメ。
俯瞰できるようになる。

その結果として何が起きているか。人的資産の重要性が増しているのです。今や一人ひとりのクリエイティビティやホスピタリティの違いが,事業の優劣に大きな影響を与えてしまう。競争力を大きく変えてしまう。そういう時代なのです。そして一方で,誰でもできる仕事,マニュアル・レイバー的な仕事は,コンピュータや機械で肩代わりできるようになっている。だからこそ,働く側とすれば,自分の個性や創造性の発揮を求める。(p. 137)

コンピュータや機械でできない仕事を目指す。

組織内特殊スキルとは何かというと,その会社の中でしか,その組織の中でしか通用しないスキルのことです。社内の人間関係に詳しくなる,部門間の調整に長ける,社内の決裁ルートに強くなる,ミドルに顔が利く,といった,いくら技量が高まっても,他の会社に転職した瞬間,使えなくなる能力です。外に持ち出せません。(p. 143)

当社の場合,組織内特殊スキルを持つ人が偉くなっていく。
しかし,外から見れば「お山の大将」に見えるのではないか。

怖いのは,マンネリ感や惰性なのです。マンネリ感や惰性に陥らない工夫を,いかに会社の中に創り出していけるか。季節感や,時間の区切り目などを,いかにうまく活用できるか。「おかしいことは正そう」「改革しよう」「今度こそ勇気を持って挑もう」という気持ちが生じる機会を,いかにたくさん作れるか。組織にコケが生えるような感覚に陥らないようにするためにも,「季節感」は会社の品格や仕事の品格を守る上で,実はとても大切なものになりうると思うのです。(p. 153)

マンネリ感や惰性を打破するために,3 ヶ月に一回はリセットしてみよう。
リセットは整理整頓で,不要なものは捨ててしまう。

必要なのは,誰もが当事者意識を持ち,自己責任意識を持ち,日々を生きることだと思うのです。会社であれば,一人ひとりが「会社の品格」に意識を持つ。一人ひとりの品格が,最終的には「会社の品格」を生む。そう認識できるかどうかです。これは社会も同じです。誰かのせいにするのではなく,それは自分のせいなのだと,そういう国にしてしまっているのは,自分の責任でもあるのだと。一人ひとりが当事者意識を持つことから,すべては始まると思うのです。(p. 210)

一人ひとりが当事者意識を持てばよいのはわかるが,どうすれば当事者意識を持てるだろうか。
自分のことしか考えないのが人間の性なのではないか。

会社の品格 (幻冬舎新書)

会社の品格 (幻冬舎新書)