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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

戦略論と DX の交点 DX の核心を経営理論から読み解く

『戦略論と DX の交点 DX の核心を経営理論から読み解く』(ベイカレント・コンサルティング監修,則武譲二 他,東洋経済新報社,2021年8月12日)を読了。

ビジネスモデルの定義

「顧客価値」「利益方程式」「経営資源」「主要プロセス」の 4 つの要素で構成される価値提供と収益獲得の仕組み。(p. 24)

ビジネスモデルを考えるとき,4 つの要素は何かを考える。

組織戦略は「企業戦略・事業戦略を実現するために備えるべきケイパビリティ(組織的能力)とその獲得方針を定めたもの」であるが,ケイパビリティを獲得するうえで乗り越えなければならない壁が,DI と DX では異なる。(p. 27)

私が勤めている会社が備えるべき組織的能力はぼんやりと浮かんでいるかもしれないが,その獲得方針は明確になっていない。

活動システムを可視化できていれば,DI を図るうえでのデジタル技術の効き所を見誤ることがなく,とるべき施策も発想しやすい。DX を図るうえでも,どこをどうディスラプトできる可能性があるのか見極めやすい。自社の価値提供と収益獲得の仕組みがわかれば,自社の壊し方もわかるのである。(pp. 97 - 98)

設備保全に関わる活動を可視化すれば,どこが打ち手になるのか見えてくる。

ハードの性能や品質だけで勝負する時代は終わり,メンテナンスなどのサービスで新しい付加価値を提供することが,次のコマツの収益源,競争力になることを,コマツは身をもって知った。(p. 109)

先見の明があれば,次の収益源,競争力に投資をしよう。

「世界共通部品表」や「グローバルな販売・サービスネットワーク」などといったリソースは,事業を商品別で捉えても,国・地域別で捉えても,事業間で共通している強みである。(p. 111)

部品表であっても,世界共通で使えるものならば,強みになる。

日本企業のデジタル変革が立ち遅れている最大の原因は,IT 基盤のサイロ化にあると気づくことができた(株式会社 JERA 奥田久栄,p. 121)

私が勤めている会社でも IT 基盤はサイロ化している。IT 基盤のありたい姿を描き,そこに向かうロードマップを策定することが求められている。

従来は就業時間の 8 割を作業に取られ,考える時間,つまり価値創造のために使える時間は残りの 2 割しかありませんでした。ところが優れた IT 基盤を得ることでこれが逆転し,作業時間を 2 割程度にとどめ,持てる時間の 8 割を価値創造のために割くことが可能になるのです。まさに "ルネサンス(人間復興)" をも成し遂げていく。これは画期的なことです。(株式会社 JERA 奥田久栄,p. 125)

作業の時間を減らし,考える時間を増やし,価値を創造していく。

企業構造改革とセットでないと,レガシーシステムを打ち切って,IT 基盤づくりから始めるということはできないのではないかと思います。その意味では,日本のほとんどの企業は,企業構造の大胆な改革をちょうど行うべきタイミングにきています。(p. 134)

私が勤めている会社でも,2022年度は改革元年と位置付けられている。

デジタルツイン*1は,現実世界の情報をリアルタイムでデジタル空間へ集積していく。そして,デジタル空間上でシミュレーションを行い,その結果を現実世界にフィードバックする。シミュレーション能力が向上することで,故障しにくい設計や,手戻りの少ない設計などを実現できるようになる。

デジタルツインを実現することで,得られる価値を思い描く。

DX 人財に求める要件として,私が強く意識しているのは,2 つの ”そうぞう力” です。

1 つは,イマジネーションの意味の「想像力」で,デジタル技術によって世の中が今後どう変わっていくのか,自分の仕事がどのように変わっていくべきなのかなど,一人ひとりが自分で想像する力です。未来を想像することによって,今,何をすべきかがわかってくるからです。

もう 1 つはクリエーションの意味の「創造力」です。想像した世界を実現する力です。(アフラック生命保険株式会社 二見 通,pp. 270 - 271)

未来を創り続けることで,創造力を高めていきたい。

2020 年,あらゆる部門のマニュアルを廃止し,働き方をマニュアルベースからプリンシプル(原理・原則)ベースに変えました。役職員一人ひとりが自分の役割と責任を理解したうえで,自分の考えをしっかりと持って行動してほしいためです。(アフラック生命保険株式会社 二見 通,p. 275)

日本全体をプリンシプル(原理・原則)ベースに変えたとき,一人ひとりがしっかりと行動できるだろうか。

*1:デジタルツインは,2002 年にミシガン大学のマイケル・グリーブンスが提唱した概念として知られる。その名の通り,デジタル空間に再現された双子のことを意味する。