『統計学が見つけた野球の真理 最先端のセイバーメトリクス*1が明らかにしたもの』(鳥越 規央*2,講談社,2022年3月20日)を読了。
- 序章 セイバーメトリクスの歴史――草創期から「革命」まで
- 第1章 セイバーメトリクスの原理――どのように「数値化」するのか
- 第2章 投手の指標――どこまでが「責任」なのか
- 第3章 打撃の指標――「得点創出能力」をいかに表すか
- 第4章 セイバーメトリクスの可視化――「下剋上」の原動力とは
- 第5章 パークファクター――野球は「場所」によって変わる
- 第6章 守備の指標――「未開の領域」に光を当てる
- 第7章 走塁の指標――「足」でどれだけ稼げるか
- 第8章 総合指標――「二刀流」を評価する
- 第9章 セイバーメトリクスの革命――テクノロジーが明かす真実
- 第10章 プロ野球の未解決問題――これからのテーマ
現代のセイバーメトリクスにおいて,基本的な考えとなっているのが「そのプレーにどのくらいの価値があるのかを測るにはどうすればよいのか」ということである。そのプレーの価値を数量化することができれば,客観的な評価基準を設けることができ,他者との比較も容易となる。(p. 28)
定量的な評価の基準を設けることができれば,他者との比較も容易となるし,判断に一貫性を持たせることができる。
「得点期待値の変動の大きい場面で活躍すれば,大きく得点期待値を上昇させるプレーとなり,よりチームに貢献できる」というコンセプトのもとお提案された評価の指標が「RE24」(Run Expectancy based on the 24 base-out states)である。(p. 37)
RE24 を用いれば,いわゆる「勝負強さ」を定量的に比較することができる可能性がある。
捕手としても監督としても超一流であった野村克也はかつて,
「サッカーやバスケットボールはボールがゴールに入ることで得点が入るが,野球は選手が本塁に還ることで得点が入るスポーツ。だから,選手の足の速さはとても重要」
と語っていた。(p. 154)
ただ足が速いだけではダメかもしれないが,足が速いことは得点の重要な要素。