『amazon のすごい会議 ジェフ・ベゾスが生んだマネジメントの技法』(佐藤 将之,東洋経済新報社,2020年10月1日)を読了。
アマゾンで開かれる会議には,次の 4 つの種類があります。(位置 No. 79)
決裁を仰いだり,物事を決めて合意を形成したりする「意志決定会議」
新しい施策やサービス,ビジネスなどを考え出す「アイデア出し会議」
みんなが知るべき情報を報告したり共有したりする「情報伝達会議」
決定事項の実施状況を追跡・確認する「進捗管理会議」
私が身近な会議では,「意思決定会議」「情報伝達会議」「進捗管理会議」は多いが,「アイデア出し会議」は少ない。
良い会議資料とは,次の条件を満たす資料です。(位置 No. 543)
- 会議の趣旨,目的が明確である
- 少ない労力,少ない時間で読むことができる
- いつ誰が読んでも確実に伝わる
作成した会議資料が,上記の条件を満たしているか確認しよう。
冷静さを保つための 1 つの方法として,英語では「バルコニーから見下ろせ」という言い方があり,アマゾンの会議でもよく言われます。ダンスホールでみんなと一緒に踊っていると,冷静に全体を見渡すことができなくなります。だから,「いったんバルコニーに上って,みんなの動きを見てみなさい」という意味です。(位置 No. 1049)
「俯瞰しなさい」というより「バルコニーから見下ろせ」という方が,英語っぽくてカッコいい。
特に,「各自で企画を考えてきてください」と宿題を出しても,平凡なアイデアしか出てこない場合,ブレストの手法を採り入れてみると,少し変化が見られるかもしれません。自分 1 人では思いつかなくても,ある人のアイデアに触発されて,新たなアイデアが誘発され,化学反応が起き始めることもあります。(位置 No. 1179)
自分で考えた企画を誰かに見せることで,新しい気づきを得て,企画を磨いていく。
私がアマゾンで体得したブレストのコツを紹介しましょう。
時間を短く切って「クイック・アンド・ダーティ」
アイデア出しの時間は短めに設定すること。なぜなら,あまり熟考する時間を与えすぎると,きれいな回答しか出てこないからです。(位置 No. 1259)
アイデア出しは長い時間をかけても,いいことはない。
大きな目標を達成するために,見なくてはいけない数字は何か。その数字はどんな要素で成り立っているのか。その具体的な要素を示すのが KPI です。目標とする KPI を達成し,それが積み上がったものが KGI になるという構造を意識しなくてはいけません。(位置 No. 1485)
目標の進捗を定量的に管理できるようにしておく。
異常値の分析を行い,対策を検討するなど,然るべき準備をした上で,会議に臨むのが暗黙のルール(位置 No. 1539)
定量的な管理をすることで,異常値の分析も行える。
ベゾスがよく言っていたのが「Good intention does not works, only mechanism works!(人の善意に頼って仕事をしてはいけない。仕組み作りが重要だ)」ということ。数字化や仕組み化して,誰がやってもできるようにしなさいという意味です。(位置 No. 1587)
人の善意に頼らなくてもいいように,仕組みを作る。
PDPD の連続だけで,ポストモーテムと KPI の管理という CA の仕組みがなければ,いくらプランを立てて実行しても長続きしないし,発展性に欠けてしまいます。
プロジェクトを立ち上げる際には,会議の中で CA のやり方まできっちりと決めることが非常に大切です。(位置 No. 1636)
私が勤めている会社では,PDPD の連続なので,あらかじめ CA のやり方を決めておく。
アマゾンの OLP*1 14 カ条(位置 No. 1739)
- Customer Obsession(顧客へのこだわり)
- Ownership(オーナーシップ)
- Invent and Simplify(創造と単純化)
- Are right, A Lot(多くの場合正しい)
- Learn and Be Curious(学び,そして興味を持つ)
- Hire and Develop the Best(ベストな人材を確保し育てる)
- Insist on the Hightest Standards(常に高い目標を掲げる)
- Think Big(広い視野で考える)
- Bias for Action(とにかく行動する)
- Frugality(質素倹約)
- Earn Trust(人々から信頼を得る)
- Dive Deep(より深く考える)
- Have Backborn; Disagree and Commit(意見を持ち,議論を交わし,納得したら力を注ぐ)
- Deliver Results(結果を出す)
アマゾンの OLP をアレンジして,自分なりの Principles を作ってみよう。
*1:リーダシップ理念(Our Leadership Principles)