私のチームでは,1 週間に 1 回のペースで振り返りを行っている。KPT,YWT などのフレームワークを使っているが,ふりかえりを進化させるため,『アジャイルなチームをつくる ふりかえりガイドブック 始め方・ふりかえりの型・手法・マインドセット』(森 一樹,翔泳社,2021年2月17日)を読んでみた。
ふりかえりは,チーム全員で立ち止まり,チームがより良いやり方を見つけるための話し合いをして,チームの行動を少しずつ変えていく活動です。(位置 No. 206)
ふりかえりの活動が,チームの行動を少しずつ変えていくきっかけになる。
変えるプロセスは「小さく,少しずつ」が鉄則です。プロセス変更後にうまくいくかどうかは誰にもわかりません。どんなアクションが効果的かは,チームの特性や,チームの状況や状態によっても異なります。大きな変更はうまくいかなかったときの影響が大きく,戻すことも困難になります。小さな変更であればすぐに戻せます。そのため,「変える範囲は小さく」が重要です。(位置 No. 340)
少しずつ,良い方向に変えていく。逆に,良い方向に変えていこうとしなければ,停滞してしまう。
問題解決を一人のタスクにしてしまってはいけません。「誰か一人がやる」ではなく「チーム全員でどういうふうにすればもっとうまくいけるだろうか」という方向に思考を向けてみましょう。(位置 No. 799)
誰かのせいにするのではなく,チームで取り組むことを考える。
ふりかえりの目的の詳細な分類(位置 No. 1043)
- チームの状況や状態を共有したい
- チームの成功を続けたい,良いところを伸ばしたい
- チームの成功を避けたい,問題を解決したい
- 学びや気づきを共有して,新しい実験を生み出したい
- チームの信頼関係を高めたい
- 普段話さない,さまざまな視点からチームを分析したい
- チームの長期間の変化をふりかえりたい
- チームの未来やゴール像を描きたい
良いところを伸ばす,新しい実験を生み出す,未来やゴールを描く,といったことが私のチームでのふりかえりの目的に合致するか。
Fun・Done・Learn に対する問いかけの例(位置 No. 2276)
Fun
- 楽しかったことは何ですか
- 面白かったことや興味深かったことは何ですか
Done
- できたことは何ですか
- 意識的に行ったことは何ですか
Learn
- 学んだことや気づいたことは何ですか
- 印象に残ったことは何ですか
楽しくなければ仕事ではない,という思想で Fun・Done・Learn を実践してみる。
アクションは,実行状況によって以下の 5 つに分類されます。(位置 No. 2384)
- Added 追加されてから未実行のアクション
- Doing 実行中のアクション
- Pending 着手したものの現在動きがないアクション
- Dropped 実行したものの継続されていないアクション
- Closed 実行され,役目を終えたアクション
アクションの進捗管理の切り口に使ってみようか。
アイデアやアクションを検討するうえで,欠かせないのが発散と収束です。アイデアの発散と収束を使い分けながら,チームにとって良いアクションを作り出していきます。
発散は,新しいアイデアを生み出し,他のアイデアと組み合わせたりすることです。ふりかえりの中で使える情報量を多くしていきます。1 つのアイデアから,発散によって多数のアイデアを生み出すことも可能です。
収束は,複数のアイデアを絞り込み,次に議論すべき内容の方針を固めたり,合意をとったりするために活用します。(位置 No. 3180)
発散と収束を使い分け,アイデアを形にしていく。