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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

ティール組織 マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

ティール組織 マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』(フレデリック・ラルー,英治出版,2018年1月24日)を読了。

その根底にある考え方は,労働者はほとんどが怠け者で,不正直で,つねに指示を待っている存在であり,常に監督され,始動を受けるべき存在だ,ということである。(p. 47)

そうではない考え方もあるのか,というのが率直な感想。

達成型組織では,戦略と執行が絶対である。多元型組織で最も重要なのは,その会社の文化だ。多元型組織の CEO は,企業文化と共有価値を育てて守ることが,最も重要な仕事だと述べる。(p. 70)

企業文化と共有価値を育てて守ることは,最も重要な仕事であるが,難しい仕事でもある。

  • 社長が思いつきで給料を上げたり下げたりできるとしたら,それは衝動型パラダイムの発想に近い。
  • 組織における階級(あるいは資格)によって固定給が決められていれば,それは順応型のように見える。
  • 個人ごとに目標を管理し,達成すれば報酬アップで報いるシステムは達成型の世界観に基づいていると考えてよいだろう。
  • チーム単位のボーナスを重視するのなら多元型だ。(pp. 84 - 85)

私の会社は,達成型組織を目指している順応型組織に分類される。

心理学者たちは,「欠点を見る」のではなく「長所を生かす」というパラダイム変化が起こっていると指摘する。これは経営から教育,心理学からヘルスケアなど,さまざまな分野でゆっくりと深く進行している。その出発点は,自分は人として,他人や周囲から解決してもらうことを待っている「問題」なのではなく,本質が明らかになることを待っている「可能性」なのだ,という前提である。(p. 95)

欠点ではなく,長所に注目する。どんな人にも,長所の一つや二つはあるはずだ。

スタッフ機能を担う人々は(多くは善意に基づくものだが),ルールや手続きを改正したり,専門技術を積み上げたり,解決すべき問題を探したりといった「付加価値を出す」方法を見つけることで,自分の存在意義を証明しようとする傾向がある。(p. 137)

自分の存在意義を証明することが,組織のためになればよいのだが。

自主経営組織では,人々は自然に多くの機会に触れて学び育つので,社員が正しい機会に触れているかどうかを経営陣が悩む必要がない。自由に仕事をできる人々は何でも熱心に学びたがる。そして彼らは,学んだことを仲間たちと共有するはずだと期待されている。自主経営組織でのキャリアは,人々の関心,強い衝動,そして自由な職場に常にあふれているさまざまな機会から自然と醸成されていくのだ。(p. 238)

ルールばかりを押し付け,自由に仕事をさせていないから,人々は学びたがらないのだろうか。

経営学者のゲイリー・ハメルはウェブについて次のように指摘している。(pp. 267 - 268)

  • 優れたアイデアをだれも握りつぶせない。
  • だれでも協力者になれる。
  • だれでもリーダー役を務められる。
  • だれも指図できない。
  • 目的や目標は自分で決める。
  • だれかの成果を簡単に生かせる。
  • ゴロツキや暴君に耐える必要はない。
  • 出る杭は打たれない。
  • 優れたものがたいていは勝つ(平凡ではそうはいかない)。
  • 情熱を削ぐような方針はくつがえされる。
  • 素晴らしい貢献は周囲から認められ,祝福される。

現実よりも,ウェブの方がいいと思える。