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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

学習する組織 現場に変化のタネをまく

2021年8月2日作成

『学習する組織 現場に変化のタネをまく』(高間 邦男,光文社,2005年5月20日)を読了。

主体的な話し方をする人は当事者感覚を持っているので,自分自身の内に組織や周りの人に働きかける力を秘めているかもしれない。こういう人こそが組織変革を進めていく推進者,言い換えるとチェンジ・エージェント*1になる可能性がある。(位置 No. 135)

主体的な話し方ができるよう,当事者感覚を持つ。

成功する組織とそうでない組織の違いは何だろうか。何か特別な魔法の杖や特効薬があったから成功したのだろうか。

その違いは,変革の「コンテンツ」――何をするかという内容・方向性――も大事であるが,それよりも変革の「プロセス」――進め方――が重要な鍵となる。(位置 No. 178)

変革のプロセスが重要な鍵である。プロセスを描き,その通り進んでいるのかをチェックする。

組織を変革するアプローチは,組織変革の WHAT ――コンテンツの違い――で見ると,大別して二つに分けられる。一つは「一点突破型」,もう一つは「構造改革型」である。

一点突破型というのは,個別のテーマを推進し,結果として組織全体の文化を変えていくやり方である。構造改革は,仕組みや制度を変えていくことで,成果・業績を向上させようというものである。(位置 No. 217)

デジタル・トランスフォーメーション(DX)は,個別のテーマ(デジタル化)を推進し,結果として組織全体の文化を変えていくやり方と考えられる。

異質な人々と社会的な相互作用がある中で,自分たちで仮説をたて,実践を通して振り返って,自ら気づき,発見し,さらなる仮説を構築するという学習の進め方でないと,人々の意識や組織の文化を変えていくことができない。(位置 No. 232)

仮説をたて,仮説が正しいかを試していくことを繰り返す。

意識や覚悟を合わせるところには時間をかけ,それが定まったら素早く実行することが組織変革の望ましい流れである。それは雅楽能楽などの芸能の代表的な形式である「序破急」と似ている。従来の枠組みが破れるまでには時間をかける。それができたら一気に進めるのである。(位置 No. 508)

私の会社で取り組んでいるデジタル・トランスフォーメーション(DX)も,枠組みが破れれば,一気に進めていけるか。

調査の結果分かったことは,エンゲージメントの強さは三つの要因で構成されているということである。

それは,自分が組織の活動を通して組織や社会に役立っているという「貢献感」,組織が自分らしい場所だと感じる「適合感」,お互いに共感できる人々が組織にいるという「仲間意識」である。

このうち貢献感と適合感が特に重要である。この二つが低いと,ハイパフォーマーといわれる優秀なメンバーが組織から流出してしまう可能性が高い。(位置 No. 706)

 ハイパフォーマーが,貢献感と適合感を持てるように仕掛ける。

仕事に対する 7 つの指向性(位置 No. 750)

  1. チェンジシーカー(Change Seeker) = 変化創造指向
  2. コマンダー(Commander) = 指揮管理指向
  3. スペシャリスト(Specialist) = 分野固定指向
  4. ノーマッドNomad) = 自由奔放指向
  5. バランサー(Balancer) = マルチ指向
  6. コントリビューター(Contributor) = 奉仕指向
  7. マイスター(Meister) = 匠指向

私の指向性は,「バランサー」くらいか。

やってもやらなくても生活は保障しましょうという原資は存在しない。年功序列とか終身雇用という形態は,よほど安定的に将来にわたって拡大し続けるマーケットを保持している企業でしか維持できない。そんな安定したマーケットがどこにあるのだろうか。日本の企業が人事制度を変えざるを得ないのは,社会環境変化に適応するための必然である。(位置 No. 1017)

業界は,将来にわたって拡大し続けるとは思えない。人事制度も少しずつ変わり始めている。

あるべき姿と現状の差を明らかにし,問題を定義する。さらにその原因を探り,その真因に対して複数の解決策を考え,最も適切な案を選択し,実行計画を作成する。これが従来の問題解決方法であった。もはやこのギャップアプローチに限界が来ているのである。

今やあるべき姿も分からなければ,複雑な影響関係の中で原因を一つに特定することさえできない。そういった環境の中で,この枠組みの対立を乗り越える方法を組織が獲得しないと,変革を実現できない。これを乗り越える力を持った組織が「学習する組織」(ラーニング・オーガニゼーション)といえるのではないだろうか。(位置 No. 1473)

まだ,あるべき姿と現状の差を明らかに・・・という手法が通じるのは,いいことなのか,それとも取り残されているのか。

あるべき姿を描くことから始めなければならない。

組織変革では,組織のメンバーの役割意識を変えていくことが重要である。役割意識を変えていくには,しつこく言い続けるという方法もあるだろうが,メンバー本人に気づいてもらうのが一番いい。そのためには,異なる組織の人や観客の声をじかに聞くことが効果的である。自分たちに対して他者がどういった役割を期待しているかが分かり,他者がどんなことで苦労しているのかが理解できると,自分の役割意識が変化してくるのである。(位置 No. 2105)

 組織変革(OX : Organization Transformation)は,メンバーのマインド変革(MX : Mind Transformation)と表裏一体か。

欧米の企業などで最近活用されている話し合いの仕方が,前述の「ダイアログ*2」である。これは,複雑性の高いテーマについて話し合ったり,メンバーの相互作用を高め共有化を図る場合に,効果的な話し合いの方法である。

ダイアログとは,参加者が自分の見解や立場に固執することなく,その時々のテーマを共に探求する話し合いのプロセスのことをいう。言い換えると,同じ会場の同じテーブルに座っている人が,一緒に考えるプロセスを作るのである。(位置 No. 2301)

ダイアログ的な話し合いを実践してみるか。

*1:変革を推し進める伝道師的役割の人。

*2:ダイアログという言葉は,「意味が(妨げられることなく自由に)流れる」という意味のギリシャ語である「ディア・ロゴス」という言葉が起源である。参加したメンバーがその時々の出来事や経験をオープンに語り合い,その流れに乗って,その意味を探求することにより,新しい行動や知識,意味を生み出していくことができるのである。