2014年3月16日放送のNHKスペシャル「メルトダウンFile.4放射能“大量放出”の真相」を視聴いたしました。
今回の放送では,
- 放射性物質の漏えいルート
- 格納容器の弱点部
- ベントの落とし穴
について指摘されております。 それぞれの事象については,よくよく考えてみるとその可能性については納得させられるものであります。しかし,あの2011年3月11日の地震,そして津波により混乱していた中でそれらの事象の可能性に気付いていた人は現場に一人でもいたでしょうか。
原子力発電所は,構成する設備は非常に多く,あのようなアクシデントがあったとき,総合的に事象を捉えるのは困難であることが想像されます。
やはり第一の原因と言えるのは非常用電源設備すらも使えない状況に陥ってしまったことなのでしょうか。非常用電源設備を使えないことはほとんど想定されていなかったので,津波襲来からの対応が後手後手となってしまった感は否めません。
逆に言えば,非常用電源さえ確保できていれば,かなりの事象の対応ができたのではないでしょうか。メルトダウンも防げたのではないだろうかというのが印象であります。
まだ福島第一原発の事故の真相については究明が必要なのはNHKスペシャルにおいても指摘されている通りであります。しかし,だからと言って国内の原子力を停止したままにしておいてもよいのでしょうか。発電のために化石燃料に頼り切り,国富が湯水のごとく流出し続けています。
再稼働のための審査の基準についてもはっきりしたことが決まっていないのは,どこまでを想定すればいいのか誰にもはっきりしたことが言えないからだと思います。ここは割り切って,非常用電源設備についての基準を明確にしたうえで,それを満たせば再稼働,その他の対策については,自主保安の観点において順次行っていけばいいのではないでしょうか。