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エネルギー業界の破壊的イノベーション 野村総合研究所

2020年4月3日更新

 『エネルギー業界の破壊的イノベーション』(野村総合研究所,エネルギーフォーラム,2018年6月9日 第一刷,2019年4月25日 第三刷)を読了。

このことは,換言すれば,「電力供給に関わる電力量価値(kWh 価値)が下がり,容量価値や調整力価値(kW 価値)が上がる」ということもできる。すなわち,限界費用の低い再生可能エネルギーが増えることで,発電電力量に対する価値は下がるが,それらを活用し,需給バランスを取るための機能に対する価値は高まっていくのである。(pp. 37 - 38)

再生可能エネルギー増加で,容量価値や調整力価値(kW 価値)にビジネスチャンスが生まれる。

これまでの電力システムでは,「1 構内または 1 建物を 1 需要場所とし,1 需要契約を締結する」というのが基本原則であった。しかし,EV は移動する負荷設備であることから,これまでの電力システムの基本原則を覆す可能性を持っている。(p. 64)

EV で電気を運ぶことができれば,電力システムの常識が覆される。

マイクログリッドは,主に米国において導入が進んでいる。DOE(Department of Energy : 米国エネルギー省)は,マイクログリッドの定義を「1 カ所にてコントロールが可能な,電力系統から独立した分散電源と需要のグループであり,電力系統と連携しているケースと連携していないケースがある。電力系統と連携しているケースは,電力系統と連携した運用も電力系統から独立した運用も実施できる」としている。(pp. 73 - 74)

日本でも配電事業にライセンス制が導入されつつある。
そうなれば,マイクログリッドの導入は進んでいくか。

Green Mountain Power 社は,当該マイクログリッドを導入することで自社の送配電網への投資を回避,もしくは延期することができ,結果としてマイクログリッドの導入にかかる費用は,政府の補助金も勘案すると,10 年以内に回収できる見通しとしている。(pp. 77 - 78)

マイクログリッドをうまく使えれば,設備投資を合理化できる。

エネルギー業界に変化をもたらすソリューション(p. 89)

  1. BESS(蓄電池)を活用したソリューション
  2. EV を活用したソリューション
  3. マイクログリッド(複数電源による需要家への PPA)
  4. 複数需要家リソース統合制御による系統へのサービス(DERMS)
  5. パフォーマンスコントロール

ソリューションを組み合わせて,どんな価値を提供できるか考える。

エネルギー業界の破壊的イノベーション

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