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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

裏道を行け ディストピア世界を HACK する

『裏道を行け ディストピア世界を HACK する』(橘玲講談社,2022年1月1日)を読了。

1950 年代のコンピュータ草創期のハッカーたちを取材したサイエンスジャーナリストのスティーブン・レビーは,ハッカーを「冒険家,空想家,大胆な行動家,芸術家であり,何よりも,コンピュータがなぜ革命的な道具なのかを一番はっきりと知っていた」者だちだと定義している。(p. 4)

コンピュータが革命的な道具であるかを知り,それを使いこなそうするものがハッカーだろうか。

理想の性愛を実現するには,富を手にしなければならない。こうしてハックの標的は,「女の脳」から「金融市場」へと変わっていった。(p. 63)

金融市場をハックできれば,富を手にできる。

オルター*1によれば,行動依存には 6 つの要素がある。(p. 140)

  1. 目標:ちょっと手を伸ばせば届きそうな魅力的な目標があること
  2. フィードバック:抵抗しづらく,また予測できないランダムな頻度で,報われる感覚(正のフィードバック)があること
  3. 進歩の実感:段階的に進歩・向上していく感覚があること
  4. 難易度のエスカレート:徐々に難易度を増していくタスクがあること
  5. クリフハンガー:解消したいが解消されていない緊張感があること
  6. 社会的相互作用:強い社会的な結びつきがあること

行動依存を活用して,ダイエット(コレステロールを下げる,中性脂肪を下げることを含む)に取り組もうか。

少年期から膨大なポルノにさらされつづけたことで,「セックス拒食症」とでも呼ぶべき状態になり,ほんもののセックスと "ポルノの再演" のちがいがわからなくなってしまったというのだ。(p. 145)

ポルノが身近になり過ぎることの代償か。

近代というのは,わたしたちが息苦しい共同体(コミュニティ)を捨てて,モノやサービスを貨幣と交換するドライな関係(市場経済と資本主義)を望んだからこそ生まれたのだ。(p. 191)

望んだモノやサービスを貨幣と交換するドライな関係(市場経済と資本主義)を十分に楽しもう。

「設計主義」では,神の視点から善悪を判断するのではなく,ひとびとの自由な選択が「よりよい世界」につながるように社会や制度をデザインすることを目指す。

ナッジ (Nudge) は「そっと肘でつく」の意味で,行動経済学が明らかにした人間の非合理的なバイアスをそれとは気づかずに修正するデザインを考える。(p. 208)

よりよい世界につながるナッジを考えよう。

どのようなシステムも完璧なものではない以上,そこには必ず "バグ" がある。それを上手に利用することで,労せずして超過利潤を得ることができる。このような無リスクの収益機会が「黄金の羽根」だ。(p. 219)

バグを見つければ,それを上手に利用する。

*1:心理学者のアダム・オルター