『DIGITAL TRANSFORMATION JOURNEY デジタルトランスフォーメーションジャーニー 組織のデジタル化から,分断を乗り越えて組織変革にたどりつくまで』(市谷 聡啓,翔泳社,2022年2月21日 初版 第1刷)を読了。
組織が環境や社会に適応するためには,これまでの組織能力(深化,洗練,カイゼン)だけでは困難であり,新たな能力(探索,仮説検証,アジャイル)の獲得が必要です。事業と組織のあり方そのものをトランスフォーム(変革)していかなければならない,こうした方向性はもはや仮説ではありません。適者生存のために不可欠なすべであり,DX を推進する組織が実際に取り組んでいるところです。(p. iii)
激しい環境と社会の変化に対し,これまでの組織能力では太刀打ちできないため,新たな能力の獲得が必要であることを自覚する。
お互いの理解不足がプロジェクトの破綻を招く(p. 68)
- 誰が何をやっているかわからず,結果として物事が進んでいない。
- やるべきことがどのくらいあるのかわからず,負荷にムラがある。
- 逆に何はやらなくてよいのかわからず,ムダが生じる。
- いつ何が終わっていくのか予測が立たない。
- 状況の共有に毎回とてつもなく時間がかかる。そして溺れる。
- 特定の誰かに聞かないとやるべき全体がわからない。
- その特定の誰かが忙しいとすべてが止まる。
- 何かがあって,かつ終わったこともわからず,ついていけない。
- 全体的に状況がわからないため,次に何をすべきか発想できない。
- 指示まちが増える。チーム,組織全体として非活性化。
- 誰かと仕事している感覚が薄まり,心が離れていく。
プロジェクトが破綻する前に,手を打とう。
- リーダー=正しい物事を実行する役割(Do the Right things)
- マネージャー=物事を正しく実行する役割(Do the things right)(p. 72)
今の私の立ち位置は,マネージャーだろう。
ありたい姿を深掘りするための 3 つの問い(p. 96)
(1)自分はなぜここにいるのか?
- 何を成すため,この組織へ来たのか?
- あなたが成し遂げたいことは何なのか?
(2)私たちは何をする者たちなのか?
- 誰をどのような状態にするのか?
- 自分たちの何がそのことに貢献するのか?
(3)そのために何を大事にするのか?
- 前提となるマインドセットや能力
- 必要となる活動や働きかけ
ありたい姿を言語化することから始める。
DX 推進者,DX 推進チーム自体のクライテリアこそ,最初に問い,整えるべきものと言えます。(p. 116)
DX 推進者,DX 推進チーム自体のクライテリアは明確になっているか。
探索を行わない場合,事業作りを進めるための根拠は「既存事業における判断基準」にならざるを得ません。他に事業を進めるための判断基準が存在しないためです。(p. 126)
既存事業における判断基準以外の根拠を持つ。
変革のための 8 段階プロセス(p. 185)
- CREATE 危機意識を高める
- BUILD 変革推進のための連合チームを作る
- FORM ビジョンを掲げ,イニシアティブを決める
- ENLIST 志願者を増やす
- ENABLE 障害を取り除くことによって行動を促す
- GENERATE 早めに成果をあげる
- SUSTAIN 変革の加速を維持する
- INSTITUTE 変革を体質化する
変革のための 8 段階のプロセスのうち,今は 4 段階くらいだろうか。
早く(少しだけ)形にできることの意義(p. 231)
- フィードバックに基づく仕事の進め方で,目的に適した仕事の状況に近づけていく
- アウトプットを形にすることで,関係者の認識を早期に揃えられる
- 仕事における目標と手段,段取りや進め方,取り組むチームに関する問題に早く気づける
- チームの学習効果が高い
- アウトプットを伴う仕事を早く始められる
- 仕事と仕事の間の整合性に関するリスク(認識違い)を早期に解消できる
- アウトプットの利活用開始までの期間を短くできる
- 仕事のリズムが整えられる
- 協働を育み,チームの機能性を高める
アウトプットがあるから,フィードバックができる。