『あの日，君は何をした』（まさきとしか，小学館，2020年7月7日）を読了。
「人が普通という言葉を使うとき，三つのことが考えられます」
岳斗から視線をはずし，自分自身に話しかけるように三ツ矢が言う。
「ひとつめはほんとうに普通だと思っている場合。ふたつめはよく考えずに使っている場合。とりあえず普通と言っておけば無難だろうという意識が働くのでしょう。そして，三つめはなにかを隠そうとする場合。普通という言葉はとても便利です。説明せずに，相手のイメージに任せることができますから」（106 ページ）
床屋に行ったとき「もみあげはどうしますか」と聞かれ，「普通でお願いします」と答えてた。
よく考えずに，とりあえず普通と言っておけば無難だろうという意識で答えたのだろう。
