Masassiah Blog

現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

護られなかった者たちへ

2021年12月6日作成

『護られなかった者たちへ』(中山 七里,NHK 出版,2018年1月31日 電子書籍版発行)を読了。

久しぶりに小説を読んでみた。

「全くあんたら公務員ってのは本当にタチが悪いな。面倒なことや難しいことは後回しして,簡単なこと成果が見えることから手をつけようとする。税金は取りやすいところから取る。年金はうるさいところから支給する。犯人を逮捕する前に家主のわたしを逮捕するなんて,言語道断だぞ」(位置 No. 171)

公務員だけではなく,多くの人は,面倒なことや難しいことは後回しにする。

「復興といえば無駄なハコモノをすぐ作りたがる。本気で考えているんなら,こういう歓楽街を整備した方がよっぽどカネが落ちていく。まあ,お上がそういうことに気づかないから,潤うヤツが出てくるんだけどな」(位置 No. 1832)

ハコモノ以外の事業を提供する。

「厚意とか思いやりなんてのは,一対一でやり取りするようなもんじゃないんだよ。それじゃあお中元やお歳暮と一緒じゃないか。あたしやカンちゃんにしてもらったことが嬉しかったのなら,あんたも同じように見知らぬ他人に善行を施すのさ。そういうのが沢山重なって,世の中ってのはだんだんよくなっていくんだ。でもね,それは別に気張ってするようなことでも押しつけることでもないから。機会があるまで覚えておきゃあ,それでいい」(位置 No. 2852)

厚意と思いやりは,誰かにされた分,誰かに返すくらいの気持ちで生きていく。