2020年7月12日
『一生食える普遍的スキルが身につく 新規事業の実践論』(麻生 要一,ニューズピックス,2019年12月発行)
ほとんどの社内起業家は,そういった「生まれながらの起業家気質人材」ではなく,新規事業開発プロセスの中で「後天的に覚醒した」リーダー(位置 No. 22)
新規事業開発プロセスの中で,覚醒する。
定年後に 20 年は働かないといけない。しかし,そのとき,現役時代に培ったすべてのスキルは陳腐化している可能性が高い(位置 No. 69)
いくつになっても,スキルは追い続けなければならない。
新規事業開発とは「自分の頭で考えたことに,自分で顧客を見つけて,自分で商売にする」業務。
この業務で身につくスキルだけは,時代がどんなに変化しようと,AI が人に取って代ろうと,必ず生き続けます。もっとも普遍的なポータブルスキルなのです。(位置 No. 81)
新規事業開発で身につくスキルは,普遍的なもの。
大量の資金が流入しているにもかかわらず,それと比例して起業家が増えない。なぜか。
理由は大変シンプルで,アメリカと比べて日本の労働者は手厚く守られているからです。日本の優秀なサラリーマンは,どんなにスタートアップ企業を取り巻くエコシステムに資金が流れても,会社をやめてまで企業をしないのです。(位置 No. 267)
会社にいれば安泰である以上,会社をやめてまで起業しようという気にはならない。
いま,投資余力を持った大企業が本来すべきことは自らの社員への,そして社内プロジェクトへの新規事業投資です。(位置 No. 319)
社内プロジェクトへの新規事業投資は,増えていく。
新規事業開発の業務も増えてくる。
創業メンバーを選ぶときに重要な観点は「人数」と「役割」の 2 つです。新規事業開発の創業メンバーは「WILL が同じで,役割の異なる少人数を選ぶ」のが王道です。(位置 No. 530)
創業メンバーは少人数がよい。
必要なのは,自分とは異なる異分野・異業種の人たちとゼロから人間関係を構築する力です。いま所属している会社の肩書きやポジションを捨て,1 人の人間として飛び込み,相手と人間関係を作る。そうしてネットワークは広がっていきます。(位置 No. 647)
異分野・異業種の人と混じり合うことで,自分を成長させる。
生まれる以前の最初の段階の新規事業案に対しては,「儲かるのか」「具体的なのか」「やる意義はあるのか」という頻出質問は,決して「してはいけない」のです。(位置 No. 853)
新規事業がうまくいくかは,本来,誰にもわからない。
実現できそうなソリューションではなく,実現できるかわからないけれど「確実にその課題を解決できる」というソリューション仮説を提示することが ENTRY 側には重要です。(位置 No. 903)
実現できそう,ではなく「確実にその課題を解決できる」というソリューション仮説を提示する。
一般的に社会課題と言われるような,本当に根深くて巨大で複雑な課題は,課題を抱えた人が支払うことのできる金額に対して,解決するための費用が莫大になるケースがあります。(中略)これらは,税金をはじめとした,ビジネスとは別の枠組みによって,課題解決のための事業が運営されています。(位置 No. 970)
ビジネスになるか,という観点は新規事業に不可欠。
既存事業では疑う余地もないほど正しい仕事の進め方が,新規事業開発の立ち上げ期においては,「1 つたりともやってはいけないこと」になる。(位置 No. 1286)
既存事業での仕事のやり方は,一旦捨て去る。
新規事業開発の立ち上げ期に登場するべき単語は「たった 2 つ」。「仮説」と「顧客」です。(位置 No. 1297)
顧客に仮説をぶつけ続け,確度の高い仮説に仕上げていく。
「300 回顧客のところに行け」は,スキルにも才能にも経験にもよらない,誰だって必ず新規事業を立ち上げられる,唯一再現可能かつ汎用的な手法です。(位置 No. 1319)
顧客へのヒアリングが,確実なプロセスとなる。
リリース直後の新規事業のリーダーが肝に銘じてほしいこと。それは自分の子どものように可愛い,渾身の作品かのように思ってしまう新規事業に対して「世論は驚くほどにネガティブ,もしくは無反応である」ということです。(位置 No. 1783)
ネガティブ,無反応な世論を覚悟しておく。
経営陣だろうが,百戦錬磨の投資家だろうが,立ち上がってもいない新規事業を「正しく評価する」なんて芸当はできないのです。(位置 No. 1916)
気持ちに訴えかける方が,経営陣や投資家に刺さりやすいのか。
もっとも成功させた企業群であるマザーズ上場企業をして「12.3 年かかって営業利益が 3.3 億円」というのが新規事業の規模の実態です。(位置 No. 2290)
売上や利益の目標をどう設定するのか,現実的な範囲で考えたい。
新規事業は「せんみつ」の世界ですから,その 99.7 % は失敗します。意を決して立ち上がっても,その事業ひとつをとってみれば,失敗する可能性の方が大きい。でも,成功や失敗という「結果」は,社内起業の醍醐味ではないんです。社内起業の醍醐味は,WILL を持って立ち上がること。活動を始めること。その「プロセス」にこそあります。(位置 No. 2478)
WILL を持ち立ち上がること,活動すること,それらで自分を変えていく。