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超ひも理論と「影の世界」 広瀬 立成

2020年6月23日更新

超ひも理論と「影の世界」』(広瀬 立成,講談社 BLUE BACKS,1989年8月20日発行)を読了。

<真理は単純である>というのは,どうやら物理学の世界にもあてはまるようだ。あまりゴテゴテ着飾る女性はかえって美しさをそこねてしまうように,論理の道すじが入り乱れているような理論は,真理にそっぽを向かれてしまう。超ひも理論に代表される<力の統一>という発想は,一見複雑に見える四つの力を一本化し――その意味では単純化したことになる――物質・力の究極をあばき出そうとする試みである。(p. 26)

<真理は単純>ということは,世界の本質なのかもしれない。
あまり複雑に考えないようにしよう。

 1905 年,一人の物理学者がマクスウェル理論を正しく理解し,時間・空間についての革新的な理論をつくりあげることに成功した。その物理学者とはアルバート・アインシュタインであり,その理論こそ,20 世紀における科学史上もっとも偉大な業績の一つとしてたたえられている「特殊相対性理論」であった。(p. 122)

マクスウェル理論を正しく理解することが,特殊相対性理論へと繋がった。
物事の意味をしっかり理解すれば,新たな扉を開くことができるかもしれない。

 理想の世界から現実の世界への転化は,「自発的対象性の破れ」とよぶメカニズムによってひきおこされる。このややこしそうな原理――その数学的な内容はほんとうにややこしい――の概念を結晶の例を用いてできるかぎりやさしく説明することにしよう。(p. 140)

理想は自発的に破れる。そして,現実の世界へと転化する。
理想を維持し続けるには,とてつもないエネルギーが必要なのだろう。

「統一が科学の究極の目的だというのはたしかに真理である。しかし,いま統一されるべきだというのは,これはまちがいなく傲慢そのものの断定である。まだ手のとどかないどえらいエネルギーが行手をふさいでいるのだから」 by ジュリアン・シュヴィンガート(p. 196)

まだ,人類が知らないエネルギーがあるのに,統一されるべき,というのは人類の傲慢である。