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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

教育力 齋藤 孝

2020年5月27日更新

『教育力』(齋藤 孝,岩波新書,2007年1月19日発行)を読了。

 教育の一番の基本は,学ぶ意欲をかき立てることだ。そのためには,教える者自身が,あこがれを強く持つ必要がある。「なんて素晴らしいんだ」という熱い気持ちが,相手にも伝わる。教える者がすでにあこがれの気持ちを失っている場合には,人はついてこない。「もっと勉強してみたい」という向上心をかき立てるのは,教える者のあこがれのベクトルである。(pp. 1 - 2)

学ぶ意欲をかき立てなければ,必要な技術力を維持していくことはできない。

 問いを設定することは,考えるという作業を促す。それだけに,問いを考える側は,よほど物事をわかっていなければならない。全く解答の用意のない問いを出されれば,生徒は参ってしまう。完全な正解である必要はない。しかし,納得のできる答えを教師は持っていてほしい。(p. 19)

問いを設定したのであれば,それなりの答えを持っておく。

 考えてみれば当たり前のことにすぎない。勉強するということの基本は,人の言うことを聴くことである。耳を傾けて我慢して聴くという心の構えが求められる。「おれが,おれが」という自己中心的・独善的な態度を一度捨てる必要がある。「自分に理解できないことは全部価値がない」という,自分の好きか嫌いかが世界をすべて決めるという態度では何も学べないのだ。(p. 37)

人の言うことを聴く,それが第一である。

 本を読むということをたくさんやってきた人は,読書の重要性を疑うことはない。向学心があれば,当然本を読むことによってどんどん向学心というものが膨れ上がっていくのだ。(p. 45)

読書量は裏切らない。
まだまだ読みたい本はたくさんある。

 ふだん行動するときに仮説を立てて実験,すなわち行動してみて検証するというプロセスを意識化して実践しているという人は上達していく。
 仮説・実験・検証というプロセスは,人類が編み出してきた科学的態度なのである。(p. 84)

仮説・実験・検証のプロセスを意識して実践していく。

 一流の人はみんな,何のために何をして,何のためにこうしているというように,意識が発達している。そういう目的意識にもとづく意味づけがはっきりしていて優先順位を間違わない,というのが才能といえば才能だ。それを才能と呼ぶのだとすれば,私はあらゆる人にその可能性は開かれていると思う。(p. 106)

何かをやるときには,「何のため」「何をして」ということを自分に問いかけよう。

 教師の能力としては「カオスとコスモスを往復できる力」も挙げたい。カオスは混沌,コスモスは秩序。混乱している状況の中に,ある種の秩序をつくりあげていく力を,人類は大切にしてきた。神話がだいたいそうなっている。(p. 166)

混乱の中に秩序を作り上げていく。
混乱する議論の中にも,秩序を見いだしていく。

 つまり,言葉を生み出すことによって世界を整理し,私たちは物ごとを捉えることができるようにしたわけだ。動物と人間を分けてみようとか,動物の中でもこれとこれを分けてみようといった具合に,そういう区別する言語を持つことによって世界がくっきり見えてくるようになった。(p. 167)

言語があることにより,世界を整理することができる。

  文字にして書き出すと,自分が書いたことであるにもかかわらず,客観性のあるものとして,権威のあるものとして私たちには映ってくる。だからかつて文字には,呪術的な力があると言われていた。そういう文字の力,意識化・客観視させる力を利用させるというのが,ノートの効用なのだ。(p. 190)

ノートに文字を書き込むことで,意識化・客観視する。

教育力 (岩波新書)

教育力 (岩波新書)

  • 作者:齋藤 孝
  • 発売日: 2007/01/19
  • メディア: 新書