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ホンモノの思考力――口ぐせで鍛える論理の技術 樋口 裕一

2020年5月20日更新

『ホンモノの思考力――口ぐせで鍛える論理の技術』(樋口 裕一,集英社新書,2003年7月22日発行)を読了。

 私が発見したことをまとめると,三つある。一つは,「欧米人,とりわけフランス人は,二項対立で物事を分析する」ということだった。第二は,「欧米人,とりわけフランス人は,『型』で考える」ということ。第三は,「欧米人,とりわけフランス人は,背伸びして考える」ということだった。そして,この三つの要素が,欧米人の知的で論理的な思考を成り立たせていると気づいたのだ。(p. 15)

二項対立,『型』で考える,背伸びして考える,この三つを実践してみよう。

 東洋の思想,とりわけ日本の思想は,多かれ少なかれ,根本にこの禅的な思想があるといっていいだろう。物事を二項対立で捉えない。人と自然は対立しているとは考えない。人は自然に囲まれている,人は他の生き物と連続した存在と捉える。生と死,自分と他者,イエスとノーも連続したものと考えている。対象を愛するということは,対象と合体することを意味する。(p. 22)

日本の思想は,連続的であるから,あらゆることに因果を求めるのか。

 知的であることを人前で見せて目立とうとし,知性を評価されるように振舞ってこそ,本当に知的になる。それなしには,知性をもてるようにならないのではなかろうか。(p. 31)

人前に出て,知的な発表をすることにより,知的になっていく。

 ノーという視点が生まれないと,停滞する。現状にノーを突きつけることによって,新しい展望が見えてくる。もっと言えば,ノーという言葉によって,発展する。(p. 45)

ノーから始める。

 私が提唱する 3 WHAT 3 W 1 H というのは,それをもじったものだ。
 3 WHATとは,「それは何か(定義)「何が起こっているのか(現象)」「何がその結果起こるか(結果)」だ。これらの三つの WHAT を考えることで,問題点を整理するわけだ。ここまででは,まだ問題点を整理しただけだ。このあと,3 W 1 H を考えてこそ,独自の視点が見つかり,思考が深まる。(p. 77)

問題点を整理しなければ,思考は始まらない。

 誰かを言い負かそうとして議論をすると,思考力は飛躍的に伸びる。ただ自分で思考力をつけようとしているだけでは,なかなか力の伸びは実感できない。友人や同僚など,対等な人間を相手に,様々なことで議論をするくせをつけておくといいだろう。(p. 187)

議論をすることにより,思考力を伸ばしていく。

 そして,もう一つ勧めるのが,文書を書くことだ。頭の中で考えただけでは,形として残らないため,思考が深まっていかない。かつて考えたことも記録として残らない。そうなると,いつまでも進歩しない。だが,文章として残しておくと,かつての自分の考えを振り返ることができる。だんだんと過去を乗り越えていける。そして,それをもっと深めることもでき,自分自身の考えを築いていくことができる。覚え書として,文章を残していくと,思考の記録となる。(p. 188)

文書を書いて,自分の考えたことを残していく。日々,考えたことを残していく癖をつけよう。