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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

働かないオジサンの給料はなぜ高いのか 人事評価の真実 楠木 新

2020年4月21日更新

『働かないオジサンの給料はなぜ高いのか 人事評価の真実』(楠木 新,2014年4月20日発行,新潮新書)を読了。

言い換えれば,欧米とは違って,日本の多くの企業は,少数のエリート社員が,多くのノンエリート社員を引っ張っていく,という形態を望んでいない。そのため互いの社員が呼吸を合わせながら,組織運営に貢献しようとする面が強い。(p. 47)

2020年4月,新型コロナウイルスにより,在宅ワークが一気に広がった。
在宅ワークでは,今まで以上に成果が求められ,エリート社員とノンエリート社員との間の差はますます広がりそう。

人事部員の多くは,社員個人個人の細かい点まで配慮できないのが現実だ。組織が要求する人材に見合った社員が豊富に在籍する会社は稀なので,組織に人を配置するだけで精一杯の人事担当者が大半である。(p. 72)

従業員の数が増えれば増えるほど,人事は難しくなる。
社員個人個人の情報を集め,適材適所に配置できるシステムができれば,ニーズはありそう。

組織の階層別役割(p. 76)

  • トップ 長期の戦略思考
  • ミドル 現在の業務の例外処理判断
  • 現場=ロワー ルーチンワークの精確な遂行

長期の戦略思考を担うトップを目指す。

もちろん,ここでいう「おはようございます」は,単なる儀礼上の挨拶ではなく,「今日も皆さんと一緒に仕事をやっていきます!」という仲間への宣言なのである。人間国宝である落語家の桂米朝師匠の奥様は,「元気に挨拶できる弟子は伸びる」と言われている。(p. 89)

在宅ワークになると,挨拶がなくなった。
一体感が失われていく気がする。

労働経済学の立場からすれば,定年制度の理論的な存在理由を示したラジアーの理論から導けるだろう。図 6 は,この理論のエッセンスを示したものである。社員の賃金カーブが企業への貢献度を左下から右上に横切る形になっている場合には,定年が必要だという理屈である。(p. 154)

私は,A 点を到達したか。
賃金カーブの傾きが,予想より小さい可能性があることが気がかりである。

社員の貢献度と賃金の関係

社員の貢献度と賃金の関係

もともと人事ローテーションは,業務の幅を広げる,専門性を磨く,適性を見出す,視野が広がる,仕事のマンネリを解消するなどのメリットがあるが,選択と個別の交渉を絡めることによって,さらにその効果が期待できるのである。(p. 180)

幅を広げる,視野が広がる,これを繰り返さなければ,小さい枠の中でしか生きられなくなる。

欧米の大学教員には,「サバティカル休暇」と呼ぶ職務を離れた長期休暇がある。使途には制限がなく,7 年毎に 1 年付与されたりするという。新たな研究材料や研究分野を見つけるためには,この程度の期間の休暇が必要なのだろう。(p. 183)

1 年間は長すぎる気もするが,新たな道(研究材料や研究分野)を見出すためには,必要な時間なのだろう。

ただ,ここで留意しておかなければならないのが,たとえ降りることになっても組織の仕事をないがしろにしてはいけない,ということだ。会社での仕事の質が落ちれば,自分のやりたいことの質も劣化する。自分が本気で取り組むことは全人格的なものであって,決して分離はできないからだ。組織から降りることは,あくまで自分のやりたいことの反射的な効果として検討されるべきである。(p. 214)

組織の仕事は,ないがしろにしない。