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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

ドラッカーの実践経営哲学 望月 護

2020年5月15日更新

ドラッカーの実践経営哲学』(望月 護,PHPビジネス新書,2010年7月2日発行)を読了。

 ドラッカーは 50 年も前から,トップ経営陣は一人制ではなく,チーム制に変えるべきだと言っている。最終責任者(CEO)はいても,すべての問題を最終責任者が決めるしくみではなく,五人か六人以内の人数でチームを編成し,問題を分けて最終的な意志を決める組織を作るべきだと提案している。(p. 34)

万能な一人に頼ってばかりでは,その人がいなくなったとき,意思決定ができなくなってしまう。

 努力すれば報われるしくみをつくって,多数の人間をやる気にさせることが会社を大きくし,長く続く強い体質を築くのである。基本的な原則は,昔も今も変わらず,洋の東西を問わず変わらない。(pp. 37 - 38)

「努力は必ず報われる」という言葉は基本的な原則であるため,人々に受け入れられた。

 投資の専門家が言っている鉄則に,「スリッパに履きかえる会社に投資すると儲からない」という「スリッパの法則」がある。同じく「作業着を着ている社長が率いている会社に投資しても儲からない」という「作業着の法則」もある。(p. 55)

「スリッパの法則」と「作業着の法則」は覚えておこう。

 昔から「金持ち喧嘩せず」と言うが本当にその通りであって,世界で紛争を起こしている国をよく見れば,貧しい国,つまり原材料を輸出しているだけで加工するノウハウやアイデアを持たず,付加価値を生んでいない国がほとんどなのである。(p. 90)

金持ちが増えれば,争いはなくなるのか。

市場経済理論には均衡を前提とするという欠陥がある。イノベーションどころか変化さえ扱えない。1911 年にシュンペーターが明らかにしたように,経済活動の現実は創造的破壊による動的な不均衡である。(『ネクスト・ソサエティダイヤモンド社)(p. 95)

破壊なくして創造なし,それは経済にも当てはまる。

 しかし「政府は景気をコントロールできる」というケインズの理論は,政府が税金を使う権限を持てるから,政治家にとっても,官僚にとっても,経済学者(エコノミスト)にとっても,都合の良い理論だった。そのためシュムペーターの意見は長い間無視されてきた。(p. 96)

景気をコントロールしようとする政府は,ケインズの亡霊に踊らされているのか。

 1897 年(明治 30 年)イタリアの経済学者ヴィルフレード・パレートは,さまざまな統計資料を調べているうちにある法則を発見した。自然現象と違って社会現象は左右両端に行くにつれて低くならず,八割の現象が二割の原因で分布していることに気がついたのである。これが「パレートの法則」と呼ばれている法則で,ほとんどの社会現象に当てはまる法則である。(p. 142)

パレートの法則で考えてみると,うまく説明できることがあるかも。

 大企業が軒並み不振に陥ったのは,上役のために働く社会に変わった結果,「わが社を中心にして世界が動いている,つまり天動説という病気」にかかったことが原因である。(p. 186)

私が務めている会社は,天動説という病気にかかっていないか。

 阿片戦争に敗れた後の清国の宰相曽国藩は,国が滅びる時には三つの兆しが顕れると言っている。

  1. 情実人事が罷り通ってでたらめな人たちがやりたい放題のでたらめをやり,善良な人たちがおし黙る。
  2. 外部から非難されることをおそれて情報をみんなで隠すから,とり繕ったきれいごとの報告しかされなくなる。
  3. 倫理観が頽廃して,何が正しいことで,何が悪いことか,誰にも分からなくなる。
 病気にかかった組織では,悪い報告は上がらないからトップが裸の王様となり,衰退していくのである。(pp. 197 - 198)

滅びる兆しがあると言えばある。滅びないためには,変わらなければならない。

「コンピュータが生産性を上げたというデータはどこにもない」と言ったのは,ノーベル賞学者のロバート・ベッカーである。(p. 207)

コンピュータが生産性を上げたのならば,会社の人員を削減できているはず。

「新しいものを得るために古いものを捨てる」ことがイノベーションの原理である。いわゆる創造的破壊である。(p. 217)

破壊なくして創造なし。破壊こそ創造!

[新版]ドラッカーの実践経営哲学 (PHPビジネス新書)

[新版]ドラッカーの実践経営哲学 (PHPビジネス新書)

  • 作者:望月 護
  • 発売日: 2010/06/19
  • メディア: 新書