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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

もっと言ってはいけない

『もっと言ってはいけない』(橘玲,新潮社,2019年1月25日)を読了。

AI(人工知能)に東大の入試試験を受けさせる「東ロボくん」で知られる新井紀子氏は,全国 2 万 5 000 人の中高生の「基礎的読解力」を調査し,3 人に 1 人がかんたんな問題文が読めないことを示して日本社会に衝撃を与えた。問題の解き方がわからないなら解法を教えられるが,何を問われているかが理解できないとしたら授業は成立しない。(位置 No. 188)

問題文が読めない人がいることを知っておく。

  1. 日本人のおよそ 3 分の 1 は日本語が読めない。
  2. 日本人の 3 分の 1 以上が小学校 3 ~ 4 年生の数的思考力しかない。
  3. パソコンを使った基本的な仕事ができる日本人は 1 割以下しかいない。
  4. 65 歳以上の日本の労働力人口のうち,3 人に 1 人がそもそもパソコンが使えない。(位置 No. 215)

日本語が読める,小学校 3 ~ 4 年生より高度な数的思考力がある,パソコンを使って仕事ができるということは,当たり前ではない。

複雑で危険な環境で生き延び,より多くの子孫を残すためには,脳は世界を正確に評価し,瞬時に決断しなければならない。だが私たちの意識はほとんどの場合,どれがいちばんよい選択かを見つけ出すにはあまりにも遅すぎる。進化論的にいうならば,私たちのこころは,面倒なことを無意識に任せることでもっとも効率的に働くよう設計されているのだ。(位置 No. 239)

面倒なことを無意識に任せる,という心理をついたサービスを考えよう。

「知的社会に適合できない国民が多いほどポピュリズムが台頭し,社会が混乱するのではないか」(位置 No. 275)

ポピュリズムが台頭している国では,知的社会に適合できない国民が多いのか。

知識社会とは,その定義上,高い知能をもつ者が社会的・経済的に成功する社会のことだ。そう考えれば,知識社会における経済格差とは「知能の格差」の別の名前でしかない。「知能」の問題から目を背けて,私たちがどのような世界に生きているのかを理解することはできない。(位置 No. 356)

知能の格差があるのだから,経済格差があるのは当然である。

「国民の税金を使う以上,社会的リターンがプラスであることを証明しなければならない」という原則は,EBPM(エビデンス・ベースド・ポリシー・メイキング/証拠のある政策形成)としてアメリカで始まり,西欧諸国では常識になりつつある。「困っているひとがいるから」というだけでは,もはや税の投入を有権者に納得させることはできないのだ。(位置 No. 804)

証拠のある政策形成,これをしっかりやっていくことで,税の無駄遣いを減らしていける。

華僑は,知能の優位性のある地域でしか財閥をつくることができない。東アジア系の国は IQ が同じなので,経済的成功のための条件がない。だから,日本には華僑財閥が存在しないのだ。(位置 No. 2000)

知能の優位性のある地域に移るというのは,よい選択か。

日本人のあいだでうつ病が多いことは広く知られており,「うつは日本の風土病」という精神科医もいる。「真面目」「几帳面」「責任感が強い」「周囲の目を気にする」「人間関係のトラブルを嫌う」などの日本人の典型的な性格は,ドイツの精神医学者テレンバッハが提唱したうつの病前性格メランコリー親和型」そのものなのだ。(位置 No. 2356)

日本人の典型的な性格から解放されれば,うつ病への免疫は高まる。

トランプ現象が明らかにしたのは,ほとんどのひとは「事実(ファクト)」など求めていないということだ。右か左かにかかわらず,ひとびとは読みたいものだけをネットで探し,自分たちを「善」,気に入らない相手に「悪」のレッテルを貼って,善悪二元論の物語を声高に語る。ヒトの脳は部族対立に最適化するよう「設計」されており,直感的にはそれ以外の方法で世界を理解できない。(位置 No. 2571)

私も善悪二元論で語りたい口である。

経済学の「限界効用逓減の法則」とは,(ビールの美味しさだけでなく)ほとんどの効用に慣れてしまう人間の本性のことだ。(位置 No. 2587)

ビールの美味しさは,一杯目にしか味わえない。