2021年2月20日更新
『FACTFULNESS 10 の思い込みを乗り越え,データを基に世界を正しく知る習慣』(ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド,日経 BP 社,2019年1月15日 第1版 第1刷,2020年1月20日 第1版 第23刷)を読了。
2019年ベストセラー第 1 位を獲得し,50 万部を突破している本。
あなたは,次のような先入観を持っていないだろうか。
「世界では戦争,暴力,自然災害,人災,腐敗が絶えず,どんどん物騒になっている。金持ちはより一層金持ちになり,貧乏人はより一層貧乏になり,貧困は増え続ける一方だ。何もしなければ天然資源ももうすぐ尽きてしまう」
少なくとも西洋諸国においてはそれがメディアでよく聞く話だし,人々に染みついた考え方なのではないか。わたしはこれを「ドラマチックすぎる世界の見方」と呼んでいる。精神衛生上よくないし,そもそも正しくない。(pp. 20 - 21)
「ドラマチックすぎる世界の見方」は,正しくない。
世界を正しく見ることができるようになる。
歴史を美化すればするほど,わたしたちや次の世代の人たちが,真実にたどり着けなくなってしまう。悲惨な過去について学ぶのは気が滅入るかもしれないが,真実を知るためには避けて通れない。
過去をきちんと学べば,昔に比べたら,いまがどれだけ恵まれているかに気づくこともできる。そして次の世代はきっと,前の世代と同じように,たまには一歩後退しても,長い目で見れば平和,繁栄,問題解決の道を歩むことができるはずだ。(p. 92)
過去をきちんと学び,平和,繁栄,問題解決の道を歩んでいく。
わたしは自分の恐怖本能を,「大昔に危険だったこと」ではなく,「いまとても危険なこと」を察知するために使いたいと思う。(p. 158)
大昔の危険を察知する能力が,今も備わっていることに神秘性を感じる。
人間はいつも,何も考えずに物事をパターン化し,それをすべてに当てはめてしまうものだ。しかも無意識にやってしまう。偏見があるかどうかや,意識が高いかどうかは関係ない。人が生きていく上で,パターン化は欠かせない。それが思考の枠組みになる。どんな物事も,どんな状況も,すべてをまったく新しいものとしてとらえていたら,自分の周りの世界を言葉で伝えられなくなってしまう。(p. 190)
パターン化は生きていく上で欠かせないが,バイアスがかかっていないか,ということには留意しておく。
知識をアップデートしよう。賞味期限がすぐに切れる知識もある。テクノロジー,国,社会,文化,宗教は刻々と変わり続けている。(p. 237)
世界は変わり続けていることと,死ぬまでずっと知識と世界の見方をアップデートし続けなければならないことを教えよう。(p. 316)
知識をアップデートする。
そのために,勉強や読書は欠かせない。
専門知識が邪魔をすると,実際に効果のある解決法が見えなくなる。その知識が問題解決の一部に役立つことはあっても,すべての問題が彼らの専門知識で解決できるわけはない。さまざまな角度から世界を見たほうがいい。(p. 246)
自分で別の角度から世界を見ることができなかったら,別の人の力を借りよう。
ファクトフルネスとは……ひとつの視点だけでは世界を理解できないと知ること。さまざまな角度から問題を見たほうが物事を正確に理解できるし,現実的な解を見つけることができる。
単純化本能を抑えるには,なんでもトンカチで叩くのではなく,さまざまな道具の入った工具箱を準備したほうがいい。(p. 259)
さまざまな角度から問題を見る。
物事を正確に理解し,現実的な解を見つける。
地球温暖化は切実な問題だからこそ,愚かな判断につながるようなことはしたくない。必要なのは総合的な分析と,考え抜いた決断と,段階的な行動と,慎重な評価なのだ。(p. 293)
地球温暖化だけでなく,様々な課題に対しても,必要なものは同じ。
危機が差し迫っていると感じたら,最初にやるべきなのはオオカミが来たと叫ぶことではなく,データを整理することだ。(p. 299)
現状(本当に危機が差し迫っているか否か)を把握するため,データを整理することから始める。
ファクトフルネスの大まかなルール(p. 325)
- 分断本能を抑えるには…大半の人がどこにいるかを探そう
- ネガティブ本能を抑えるには…悪いニュースのほうが広まりやすいと覚えておこう
- 直線本能を抑えるには…直線もいつかは曲がることを知ろう
- 恐怖本能を抑えるには…リスクを計算しよう
- 過大視本能を抑えるには…数字を比較しよう
- パターン化本能を抑えるには…分類を疑おう
- 宿命本能を抑えるには…ゆっくりとした変化でも変化していることを心に留めよう
- 単純化本能を抑えるには…ひとつの知識がすべてに応用できないことを覚えておこう
- 犯人捜し本能を抑えるには…誰かを責めても問題は解決しないと肝に銘じよう
- 焦り本能を抑えるには…小さな一歩を重ねよう
ファクトフルネスでコロナウィルスに対峙してみよう。
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者:ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド
- 発売日: 2019/01/11
- メディア: 単行本