2020年7月23日
富山県出身の力士としては,大正 5 年夏場所の横綱・太刀山以来 103 年ぶりの幕内最高優勝,そして「令和」初の幕内最高優勝を果たした朝乃山*1。
年 6 場所制定着(1958 年)以降では,史上最低記録ながら朝乃山は,2019 年の年間最多勝に輝いた。
2020 年 1 月場所,朝乃山は新関脇となり,1 月場所の成績次第では,大関昇進も見えてくる。
2019 年 11 月場所終了後,武蔵川(元横綱・武蔵丸)は,朝乃山が大関になることは必然,ともとれるコメントを残している。
「朝乃山は右四つの型を持っていて,近いうちに大関になるよ。いい相撲で勝ったと思ったら翌日にはあっさり負けてしまったりと,まだ相撲にムラがあるけど,それが直ったら大関もすぐだね」(武蔵川光偉,2019年11月28日)
さらに,若干気が早いように思えるが,朝乃山は将来の横綱候補として,日刊スポーツのコラムで語られている。
日刊スポーツのコラムのように,朝乃山は横綱となれるのか?
大相撲の長い歴史の中,学生相撲出身の力士で横綱となったのは,輪島*2しかいない。
だとすれば,学生相撲出身唯一の横綱である輪島の成績と朝乃山の成績を比較することで,朝乃山が本当に横綱になれるのか,感触を掴めるように思われる。
朝乃山と輪島それぞれの年齢-幕内通算勝ち星の関係を示す。
年齢-幕内通算勝ち星の関係より,以下のことがわかる。
- 幕内昇進は,輪島が 23.0 歳,朝乃山は 23.4 歳でほぼ互角
- 幕内昇進以降,勝ち星の伸びは,輪島が上(昇進から 14 場所の勝ち星で比較すると,輪島は 139 勝(1 場所あたり 9.9 勝),朝乃山は 118 勝(1 場所あたり 8.4 勝))
輪島の成績と比較すると,現時点(2019 年 11 月場所終了時点)での朝乃山の記録はやや見劣りする。
また,朝乃山は 2020 年 1 月場所は,25.8 歳で迎えるが,輪島はその年齢のとき,すでに横綱に昇進していた。
朝乃山が横綱になるには,もう一皮剥け,今まで以上に勝ち星を積み重ねなければならないと考えられる。