Masassiah Blog

現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

ロスジェネの逆襲 池井戸潤

2019年12月30日更新

半沢直樹3 ロスジェネ*1の逆襲』(池井戸潤,文春文庫,2015年9月15日 第2刷)を読了。

身を削るような就職活動をくぐり抜けて会社に入ってみると,そこには,大した能力もないくせに,ただ売り手市場だというだけで大量採用された危機感なき社員たちが,中間管理職となって幅をきかせていたのだ。

バブル入社組である。(p. 31)

私の会社にもバブル入社組がいる。

郷田は,瀬名を見つめた。「我々経営者は自分の生き方を見失ったらおしまいだ。どこかに解決策があると信じる勇気が必要なんだと思う」(p. 148)

 経営者には信念が必要。

これを打開するためには,新たな戦略が必要だ。だが,若い頃であれば泉のごとくあふれ出したアイデアも,いまはさっぱり出てはこなかった。いつの間にか発想の柔軟性が失われ,郷田の脳みそはまるでひからびたチーズのように固まってしまっている。(p. 272)

 脳みその若さを保つために,アイデアを出すエクササイズが必要。

買い付け価格を引き上げるのなら追加支援が要る。だが,その稟議は難航必至だ。銀行にとって,一旦見定めた投資額の上限を変更するのは決して好ましいことではない。

この世に無尽蔵な資金などありはしない。(p. 298)

 私の会社でも当初の予算を超過するというのは,決して好ましいことではなく,それを実現するハードルは高い。

半沢はいった。「世の中を儚み,文句をいったり腐してみたりする――。でもそんなことは誰にだってできる。お前は知らないかもしれないが,いつの世にも,世の中に文句ばっかりいっている奴は大勢いるんだ。だけど,果たしてそれになんの意味がある。たとえばお前たちが虐げられた世代なら,どうすればそういう世代が二度と出てこないようになるのか,その答えを探すべきなんじゃないか」(pp. 392 - 393)

 世の中を儚み,文句をいっても何も変わらない。
世の中を変えていくにはどうしたらいいか。

「簡単なことさ。正しいことを正しいといえること。世の中の常識と組織の常識を一致させること。ただ,それだけのことだ。ひたむきで誠実に働いた者がきちんと評価される。そんな当たり前のことさえ,いまの組織はできていない。だからダメなんだ」(p. 394)

 正しいことは正しいといい,世の中の常識と向き合っていく。

「戦え,森山」

半沢はいった。「そしてオレも戦う。誰かが,そうやって戦っている以上,世の中は捨てたもんじゃない。そう信じることがたいせつなんじゃないだろうか」(p. 395)

儚み,文句をいいたい世の中であれば,それと戦っていく。

「どんな場所であっても,また大銀行の看板を失っても輝く人材こそ本物だ。真に優秀な人材とはそういうものなんじゃないか」(p. 403)

会社の看板を失っても,私は輝けるだろうか。

ロスジェネの逆襲 (文春文庫)

ロスジェネの逆襲 (文春文庫)

 

king-masashi.hatenablog.com

king-masashi.hatenablog.com

*1:1994 年から 2004 年に亘る就職氷河期に世の中に出た若者たち。その彼らを,某全国紙の命名により,「ロスト・ジェネレーション」,略してロスジェネ世代と呼ぶ。