理科系の専門家の発言が,文科系の国民に伝わらない。世の中が,あまりに「文科系」と「理科系」に分かれてしまい,大きな断層が生じているのではないか。これは,今後の日本にとって看過できない問題ではないか。(p. 8)
世の中それ自体は「文科系」と「理科系」に分かれていない。世の中を生きていくため,自分を「文科系」や「理科系」という括りにはめない。
物事を批判的に受け止めること。これが大切なのです。いま池上が話していることも,そもそも批判的に受け止め,自分なりに考えてみる習慣を身につけてください。それがやがて,あなたを研究者に育てることにつながります。(p. 9)
新たな物事に触れるとき,自分なりに考えてみる習慣を身につける。
いまのようにデフレが続くと,消費意欲が落ち,物が売れません。新たに資金を借りてまで経営を拡大しようという動きになりにくいため,景気は低迷を続けているのです。(p. 67)
デフレを脱却するためには,日本全体の消費意欲を刺激する。
消費税を上げるということは,消費意欲を落とすこと。消費税を上げるためには,今まで以上の消費意欲の刺激が必要。
とりわけ文化大革命後期には,「批孔」つまり孔子=儒教思想を徹底的に批判した。礼儀作法を守ることは「ブルジョア的だ」と批判されました。これによって,中国の人たちの社会的モラルが大きく損なわれたとの指摘もあります。(p. 201)
一説として受け止める。儒教の影響が残っているといわれる韓国の人たちの社会的モラルはいかに。
技術者であっても,いずれ経営者になるかもしれない。政治家になるかもしれない。あるいはキャリア官僚になるかもしれない。その中でどう考えていくべきなのか,ということを考えてほしいのです。(p. 247)
技術者として,技術だけに向き合うのは当然だが,会社の経営や政治のあり方についても考えていく。
個人と企業,社会の「幸せな関係」とはどうあるべきなのかを考えてほしいと思います。この「幸せな関係」を築けない企業は,グローバル化の中で衰退していってしまうのだと思います。(p. 252)
「幸せな関係」とは何か。私には,イメージができない。
この社会で戦う君に「知の世界地図」をあげよう 池上彰教授の東工大講義 世界篇 (文春文庫)
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