最善策は,安価な外注企業を使うのではなく,内部の社員を活用することだ(p. 27)
自前でやるのが一番安価。
まだ,これだけ IT によってホワイトカラーの仕事が効率化しているのに,どれだけオフィスの人員が減っているというのだろう。(p. 34)
余計な(儲からない)仕事が増えているようでは,本末転倒。
利益向上のために「カイゼン」「効率化」をすすめる書籍群や人に決定的に欠如しているのは,そのカイゼンによって,どのように利益が向上していくのかという根源的な問いにほかならない。(p. 33)
「カイゼン」「効率化」が目的ではなく,利益が真の目的。
先日,「この商品を受注してしまうと,基準粗利に達しないので受注できません」という人をみかけた。それに対する私のコメントは,「でも,その仕事を受注しなくても,固定費分の人員はどうせやることがないんでしょ?」だった。(pp. 51-52)
固定費分の人員を遊ばせないために,利益を度外視でも受注することはありうる。
これから求められるのは「前年比」でもなく「予算比」でもなく,その一つひとつのコストの絶対額を見直していくことだ。(p. 70)
前年や予算にとらわれず,コストを低減していく。
会社ぐるみで節約・コスト削減を進めるとき,社員の善意に期待してはいけない。(p. 85)
意識しなくても,コスト削減をできるような仕組みをつくる。
- 人は愉しいこと,自分の利益になることしか進んでやろうとしない
- 人間は,ルールやシステムがないと,高い倫理観を持ち続けられない
- 人間は,強制的にやらされることしか達成できない(p. 88)
この三つのことは意識して,仕組みづくりをする。
社員の仕事を強制的に 2 ~ 3 年ごとに変化させることで,常に業務をマニュアル化し,引継ぎしやすくすることを意識させる。(p. 124)
定期的な異動があるのは,このためなのか。
科学者たちは神が創造したとされる世界の成り立ちに理論的な解説を加えることに身を賭してきた。神のみに運命を委ねることは,宿命論を信じる原理主義者のように,ときにあやうい。(p. 137)
利益を意識しておかなければ,神頼みになっているということ。
- 安くて良いものを選定する
- 安く提供してくれる取引先を探す
- より安くできないか交渉してみる(p. 148)
単に「安い」だけなら,簡単。「安くて良いもの」というのは,「安い」と「良い」の二次元で考えなければならない。
あなたの企業は,どこまで対外支出に対して厳格だろうか。徹底的に費用を抑えようとしている企業が,1 ミリの差異にまで注力していることは忘れないほうがいい。(p. 168)
会社のお金を自分のお金だと考えれば,費用を抑えようという気になる。
LCC(ライフサイクル・コスト)という指標がある。これは,商品を買うときだけではなく,それを運用・修理・保守・廃棄するまでのトータル・コストを計算することで,各商品を比較・検討しようという試みである。(p. 168)
LCCの考え方はわかる。トータルコストを計算するというのは,ハードルが一段高い。
最終製品の需要落ち込みに伴い国内の労働力が余るなか,外部に委託していた業務をできるだけ国内・自社に取り込み,売上から固定費の回収を進めようとする動きはもっと注目されるべきだ。(p. 174)
労働力は遊ばせておかない。
ダイエットに成功した人たちは,食べることの快楽よりも,痩せることで思い通りに人生をコントロールできることの快楽を喧伝してまわる。(p. 188)
痩せることのメリットは何かを明らかにしておく。
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