『ヤバい経済学[増補改訂版]―悪ガキ教授が世の裏側を探検する』(望月 衛 訳,東洋経済新報社,2013年11月1日電子版発行)を読了。
経済学は突き詰めるとインセンティブの学問だ。つまり,人は自分の欲しいものをどうやって手に入れるか,とくに他の人も同じものが欲しいと思っているときにどうするか,それを考えるのが経済学だ。(位置 No. 442)
人間の欲望を視点に経済学を考える。
インセンティブの味付けは基本的に三つある。経済的,社会的,そして道徳的の三つだ。(位置 No. 458)
人間の欲望には,経済的な欲望だけではなく,社会的,道徳的なものももある。
KKK は――政治家や不動産屋さんや株屋さんみたいに――情報を蓄え,出し惜しみすることで力を得ている集団だった。そうした情報が間違った(あるいは,見方によっては正しい)相手にわたると,その集団の強みはほとんど吹き飛んでしまう。(位置 No. 1142)
情報を蓄え,出し惜しみすることで力を得ている集団は,今でも存在する。
そんな集団から情報を集め,情報を解き放つことを考える。
疑問を立てるときの最初の秘訣は,立てた疑問がいい疑問かどうかをはっきりさせることだ。それまで問われたことのない疑問だからといって,いい疑問だとは限らない。これまで何世紀もの間,頭のいい人たちがいろいろな疑問を考えてきた。だからこれまで問われなかった疑問には,ほとんどの場合,つまらない答えしか出ない。(位置 No. 1507)
それは解くべき疑問なのか。「イシューからはじめよ」を実践する。
- 「問題を解く」より「問題を見極める」
- 「解の質を上げる」より「イシューの質を上げる」
「自分でコントロールできないリスク要因に比べると,コントロールできるリスク要因は怖がられないのです」(ピーター・サンドマン,位置 No. 2542)
「危険が大きいが恐れは小さいとき,人の反応は控えめです。そして,危険は小さいが恐れは大きいとき,人はオーバーな反応をするのです」(ピーター・サンドマン,位置 No. 2570)
新型コロナウイルスは,自分でコントロールできないリスク要因に分類されていたと思うが,コロナワクチンを接種したことで,ある程度,コントロールできるようになったのではないか。
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- 2022年1月17日 新規作成