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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

お金 2.0 新しい経済のルールと生き方 佐藤 航陽

2021年2月4日

『お金 2.0 新しい経済のルールと生き方』(佐藤 航陽)を読了。

世の中に膨大なデータが溢れたことで進んでいく「自動化」と,ネットワーク型社会に移行することで起きる「分散化」という 2 つの大きな流れは,今後の 10 年を考える上で非常に重要になります。

そして,この 2 つが混ざった時に起こる「自律分散」というコンセプトが,多くの産業のビジネスモデルを覆すことになると私は思っています。(位置 No. 1289)

電力業界の「自動化」と「分散化」(Decentralization)*1は,どこまで進むのか。
また,電力業界のビジネスモデルは変わるのか。

今後は,可視化された「資本」ではなく,お金などの資本に変換される前の「価値」を中心とした世界に変わっていくことが予想できます。

私はこの流れを「資本主義(capitalism)」ではなく「価値主義(valualism)」と呼んでいます。(位置 No. 1537)

価値を感じてもらえるような人になる。それが,お金に結びつけば尚よし。

最近,いくつかの会社で導入されている仕組みに,社内通貨があります。通貨の設計は企業によって違いますが,社員が毎月一定の社内通貨を保有していて,それを同僚に感謝の印として付与できるという仕組みにしているところが多いです。

(中略)

この仕組みでは仕事を作ってくれた人に対する「感謝」という内面的な価値を通貨として扱い,社内のみで独自の経済システムを作っています。(位置 No. 1622)

Thanks カードのようなものか。
仕事をしていても,こちらから感謝を伝えることもないが,感謝が伝えられることもない。

イギリスの作家ダグラス・アダムスが生前に面白い言葉を残しています。

人間は,自分が生まれた時にすでに存在したテクノロジーを,自然な世界の一部と感じる。15 歳から 35 歳の間に発明されたテクノロジーは,新しくエキサイティングなものと感じられ,35 歳以降になって発明されたテクノロジーは,自然に反するものと感じられる(位置 No. 1987)

35 歳以降であっても,テクノロジーを新しくエキサイティングなものと感じていたい。

フェイスブックの CEO であるザッカーバーグハーバード大学のスピーチでこんなことを語っていました。

今日,私は「目的」について話します。しかし「あなたの人生の目的を見つけなさいといった,よくある卒業式スピーチ」をしたいわけではありません。私たちはミレニアル世代なんだから,そんなことは本能的にやっているはずです。そうじゃなくて,今日私が話したいのは,「自分の人生の目標(意義)を見つけるだけでは不十分だ」ということです。僕らの世代にとっての課題は,「”誰もが” 人生の中で目的(意義)を持てる世界を創り出すこと」なのです。(中略)この社会を前に進めること,それが僕ら世代の課題です。新しい仕事を作るだけじゃなくて,新しい「目的」を創り出さなくちゃいけない。(位置 No. 2053)

 ザッカーバーグと同世代の私も,この社会を前に進めるために尽力したい。私が,社会に貢献できる力とは何だろうか。

人生の意義の話も踏まえて,価値主義の世界ではどんな働き方や生き方がスタンダードになっていくでしょうか。答えは非常にシンプルで「好きなことに熱中している人のほどうまく行きやすい」世の中に変わっていきます。(位置 No. 2099)

好きなことは,とことんやり抜く。逆に,好きでもないことは,軽やかにスルーしよう。

多くのミレニアル世代が人生の意義のようなものを探している世界では,内面的な欲望を満たす価値を提供できる人が成功しやすくなります。

この世界で活躍するためには,他人に伝えられるほどの熱量を持って取り組めることを探すことが,実は最も近道と言えます。(中略)その人でなければいけない,この人だからこそできる,といった独自性がそのまま価値に繋がりやすいです。(位置 No. 2156)

内面的な欲望を満たすテーマであれば,熱量(パッション)を持って取り組める。

*1:「エネルギー産業の2050年 Utility 3.0 へのゲームチェンジ」において,世の中の変化を 5 つの D と捉えている。5 つの D とは,すなわち,人口減少(Depopulation),脱炭素化(Decarbonization),分散化(Decentralization),自由化(Deregulation),デジタル化(Digitalization)である。