2021年5月12日
『貧乏はお金持ち――「雇われない生き方」で格差社会を逆転する』(橘 玲,講談社,2013年6月1日)を読了。
ここにきて格差問題は,規制緩和やグローバル資本主義によって引き起こされたというよりも,日本的な雇用慣行をめぐる「世代間闘争」であることが明らかになってきた。年功序列と終身雇用を固守しているかぎり,割を食うのは常に若者なのだ。(位置 No. 597)
人間は既得権益を手放したくないから,若者への投資が進まない。
「電力こそがクラウドである」と言われれば,なるほどと思える。
損益計算書とバランスシートの基本がわかれば,企業であれ家計であれ,富を獲得するには,原理的に次の三つの方法しかないことがわかる。(位置 No. 2222)
- 売上(収益)を増やす。
- 費用(コスト)を減らす。
- 資産の運用利回りを上げる。
私の家計の場合,収益は年功序列的な上昇が期待でき,独身貴族のため費用はそもそもそれほど大きくない,1. と 2. の差額は資産運用に回し,それなりの成果を上げている。一応,富を獲得する正のフィードバックループは,形成できていると自負。
誰にでもわかるように,よい貯金箱の条件はふたつしかない。(位置 No. 3160)
- より安いコストで資金を調達する。
- より高い利回りで資産を運用する。
より高い利回りでの資産運用を求めて,日本株式から米国株式へシフトしている。
国家に依存するな。国家を道具として使え。(位置 No. 3969)
新しい制度を求めるのではなく,現状の国の制度をうまく活用することは,今すぐにでも実践できる。NISA,ふるさと納税などが,その典型的な例と考える。
近代社会は,「自由」に至高の価値を見出すことによって成立した。だが私たちは,じつは心の底で自由を憎んでいる。社畜礼賛の風潮を見れば明らかなように,ひとはもともと自由になど生きたくないのである。(位置 No. 4069)
人に自由を与えたところで,その自由を謳歌できない。