2020年8月16日更新
『トヨタ流最強社員の仕事術』(若松 義人,PHP 文庫,2006年1月25日発行)を読了。
トヨタ流は,何時間働いたかとか,どれだけの汗をかいたかを評価しない。どれだけ知恵を出したか,どれだけ工程が進んだか,どれだけの付加価値を生んだかを評価する。あいまいな「頑張ります」ではなく,「頑張らなくてもいい仕組みづくり」を求めるのだ。(pp. 15 - 16)
頑張って,頑張らなくてもいい仕事にできた人を評価しよう。
そのためには,残業代の上限を決めておくことが必要か。
トヨタ流では,「原因の向こう側に真因が隠れている」と言う。問題が生じたときには,いつも「なぜ」「なぜ」と「なぜ」を五回以上繰り返す。五つ以上の Why で原因を掘り下げ,真の要因(真因)をつかんで対策を立てるのを常としている。(p. 39)
なぜなぜ分析は,5 回の「なぜ」を繰り返す。
自分の頭でよく考え抜いたことには,自然な説得力がある。それに対し,考え方がいいかげんだったり,聞いただけ,読んだだけの話は,どこかそらぞらしい。「A3 一枚にまとめ,十分間で説明しろ」は,自分の頭で考え,自分の言葉で伝えることの大切さを教えている。(p. 46)
A3 にまとめるためには,頭で考えて,それを整理しなければならない。
トヨタ流に「人を減らすときは優秀な者を抜け」という言葉がある。
これまで十人でやっていた仕事を,七人でやれるように改善したとする。三人を異動させる必要がある。責任者としては,仕事ができる順番に七人残したい。仕事ができない人や扱いにくい人を異動させたいと考えるのが常だ。ところが,トヨタ流は優秀な人から抜いていくのである。
優秀な人は異動しても仕事ができる。残った人も責任ある仕事を任されることで育っていく。そう考えるからだ。(p. 142)
残された七人は,実力以上の仕事をこなしていくことで,成長していける。
御手洗氏を知る人によれば,相手を説得するにあたっては,「粘り強く手を変え品を変えて,繰り返し自分の考えを話して理解を求めるだけでなく,話をするだびに相手に合わせてちがう比喩を用いたり,あきさせない工夫をする」という。(p. 194)
同じ話でも,アプローチを変えることによって,聞いてもらえるようにする。
仕事は「言われてやる」のが楽でいい。しかし,言われてやることに慣れてしまうと,考えてやることが億劫になってくる。
仕事は考えてやるからこそ楽しいのではないだろうか。(p. 237)
考えて,考えて,仕事を進めていけば,やりがいができる。