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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

大チャンス到来!ビジネス力の磨き方 大前 研一

2020年5月29日更新

『大チャンス到来!ビジネス力の磨き方』(大前 研一,PHPビジネス新書,2007年5月2日発行)を読了。

 この「FAW(Forces at Work)」というのは,マッキンゼー創始者の一人であるマービン・バウアーの考え出した概念であり,無理やり日本語を当てはめるなら「そこで働いている力」ということになる。ある傾向を伴った事象があれば,そこには必ずその事象を発生させるだけの力(FAW)が働いているはずだから,それを分析し発見するのだ。(p. 19)

何らかの事象があれば,そこには何かの力が働いている。
その力は何なのか見極める。

 こぼれ落ちた人間をすくいあげることにかかりきりで,天井を高くするための議論がまったくなされていない現在の状態では,この国に未来はない。安倍総理が何をもって「美しい国」というのかはっきりとわからないが,静かに沈んでいく国が美しいはずはないのである。(pp. 38 - 39)

日本が更なる高みを目指すためには,下ばかりを見ていてはダメなのである。
上が引っ張るつもりで,世の中を変えていく。

 私は,日本は道州制にするべきだと二十年来言い続けてきている。中央政府が国を一律に管理するのではなく,地域が自分たちの努力と責任で世界中からカネと人材を集め,独自に経済を発展させ文化を育てるというのが,二十一世紀のあるべき地域国家の姿なのである。(p. 54)

道州制にすれば,同州間の格差がどれほど生まれるのだろうか。
私が属する同州は果たして,どのくらいのポジションを確保できるのだろうか。

 結局,領土というのは十九世紀の主権国家の概念であって,ありとあらゆるものがボーダレスで異動する二十一世紀にはあまり意味がないのである。(p. 65)

北方領土の四島返還を絶対とする考え方は改めてもよいのかもしれない。

 加工貿易のころは,教えられた答えを暗記し,マニュアルをつつがなく遂行できることが何より重要な能力だった。いま,そういう人たちばかりが集まった企業は,現在,どの業界でも危機に瀕しているかジリ貧だ。この事実をみてもわかるように,他人の意見をありがたがって拝聴し,唯々諾々と従うことしかできない加工貿易時代の優等生は,いまや二束三文の価値しかないのである。(p. 75)

自分で考えることができる人材が求められている。

 とくに,日本は行政のルールに曖昧な部分が多く,役人の裁量によって決まる範囲が大きいので,権限や影響力をもった人の近くにいると自分の影響力も増して,事が有利に運ぶと考えがちだ。(p. 95)

ルールを曖昧にすることで,ルールを作る人の影響力を増す。

 斜陽の大国にすがって庇護を求めるより,フィンランドデンマークのように,自ら教育によって世界に通じる人材を生み出していくほうが,よほど世界に対して影響力のある国家になれるというものだ。(p. 103)

根幹は教育であり,教育により考える人を育成していくことが大事なのである。

 そこで,管理のための手法がいろいろと研究されてきているのだが,いずれもクリティカル・パス(最長経路/臨界経路)を見極めることが基本になっている。つまり,いちばん時間がかかるところを洗い出して,そこを最初にやっつける」のだ。だから仕事にもこれを応用すればいい。簡単にいうと,仕事の中で足の長いものはどれかを明確にし,それを先に発注するなどして,全体の足を引っ張らせないようにするのである。(p. 120)

簡単なことに手をつけるのではなく,いちばん時間がかかる仕事を最初に着手してみる。それにより,先行きが見えてくる。仕事が遅い人は,簡単なことばかりをやって,時間がかかることを先延ばししていることが多いかもしれない。

 腹を壊すのを怖がって,テレビや新聞の選んだ口当たりのいいものばかり口にしていれば,やがてどこにでもいる無価値な人間として淘汰されるか,胃が弱くなって死んでしまうのがオチだ。(p. 134)

テレビや新聞だけを情報源とするのではなく,自ら情報を取りに行かなければ,無価値な人間として淘汰されてしまう。

日本の総合家電メーカーがGEやノキアに勝てない理由は日立を見れば明らかで,敗因は東大出身のアカデミックスマート(学校秀才)を集めたことだ。与えられた組織を動かす能力に長けたゼネラリストが頓挫するのは,能力があればあるほど,間違った方向に集団を早く導くからである。そこには「方向」を判断する力と勇気がない。(pp. 164 - 165)

ゼネラリスト(広い範囲の知識や能力を持つ人)は,あらゆる方向に絵を描くことができてしまうが故に,間違った方向に集団を導いてしまうこともありうる。

 日本を二十一世紀に通用する国家にするには,甘っちょろい格差議論をやめることだ。まず競争に突き落として,そこから這い上がってくる人間が活躍できる国にする。下ばかりを底上げして,平均的な工業社会人をいくら育成しても,この国の未来は切り拓けない。未来を切り拓くのは,一人のプロフェッショナルである。(p. 171)

平均を突き抜けたプロフェッショナルを目指していく。
そして,自分の力で未来を切り拓いていく。

ビジネス力の磨き方 (PHPビジネス新書)

ビジネス力の磨き方 (PHPビジネス新書)

  • 作者:大前 研一
  • 発売日: 2007/04/19
  • メディア: 新書