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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

これからの DX 内山 悟志

『未来 IT 図鑑 これからの DX<デジタルトランスフォーメーション>』(内山 悟志,株式会社エムディエヌコーポレーション,2020年6月21日 初版第 1 刷)を読了。

DX への取組みは,よくトリップでもトラベルでもなく「デジタルジャーニー」と表現されるように企業にとって長い旅路となります。長い旅路に出発するためには,まず目的地を定め,目標としての旅程と経路に対する方針を立てなければなりません。つまり,DX の全体像を理解し,向かうべき方向について経営者や DX 推進者だけでなく,全従業員が認識を共有することが求められます。(p. 19)

DX への取組みは,目的地を定め,長く続いていく。

デジタル時代の到来が企業におよぼす 3 つの影響(pp. 28 - 29)

  1. 既存事業の継続的優位性の低下
  2. ディスラプター(破壊者)による業界破壊の可能性
  3. デジタルエコノミーがもたらす社会全体の構造変革

デジタル時代を生き抜くため,DX は不可欠である。

「常に変わり続けられる企業となっていること」が DX の目指す企業像と述べましたが,実際に DX を推進するにあたっては,それぞれの企業にそれぞれの目指す企業像があるべきです。「DX によって自社がどこに向かうのか」を明確に示すには,ビジョンが必要です。ビジョンは,「5 年後や 10 年後に,自分たちがどのようなことを実現したいのか」という未来の行き先を示すもので,できれば簡潔で具体的な言葉を用いて表現することが望ましいといえます。(pp. 34 - 35)

5 年後,10 年後を見据えて,今を生きる。

自社にとっては有用でないと思われていたデータが,取引先や異業種の企業にとっては非常に有益で,お金を支払ってでも手に入れたいと考えるケースは珍しくありません。たとえば,自動車や電気機器などの最終製品のメーカーの生産計画のデータは,そこに部品や素材を納入するメーカーにとっては需要動向がわかる重要なデータです。(p. 67)

会社のデータで,お金を払ってでも手に入れたいものは何かあるか。

DX の環境整備に必要な 5 つの企業内変革(p. 89)

  1. 意識 経営層や現場の危機感と変革に対する意識づけ
  2. 組織 専門組織の役割や既存組織の役割の再定義
  3. 制度 変革を促進させる制度の採用と阻害する制度の緩和
  4. 権限 予算,人事,組織連携などに関する権限移譲
  5. 人材 DX 推進人材の確保と育成

意識が変わらなければ,DX は始まらない。

DX を担う人材とは,どのような人たちなのでしょうか。ハーバード・ビジネス・スクール教授のクレイトン・M・クリステンセン氏らが取り組む「The Innovator's DNA」の研究によると,イノベーションを創出するには「発見力に優れた人」「実行力に優れた人」,そして「その両方をバランスよく持った人」の 3 つのタイプの人材が必要だといいます。(p. 108)

発見力と実行力をバランスよく持った人を目指す。

「5 つの罠」の処方箋(pp. 118 - 119)

  1. 「Why と Where」の徹底的な追求
  2. 小さな取組みから始める
  3. 賛同者・協力者を見つける
  4. 実体験を重視する
  5. 「外の世界」に触れる

 処方箋は,無意識にできるようになる。

DX の基本的な推進プロセス(p. 129)

  1. イデア創出(コンセプト起案・企画構想化)
  2. PoC*1(コンセプト検証)
  3. PoB(ビジネス検証)
  4. 本番移行(本番化計画・システム構築)
  5. 本番稼働(業務運営・システム運営)

まずは,アイデア創出から PoC へつなげていく。

これからの DX 目次

  1. そもそも DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
  2. DX の実践に向けた取組みとは?
  3. DX で求められる企業内変革とは?
  4. DX をどのように進めるか?
  5. DX で変わるこれからの社会・企業・ビジネスとは?

更新履歴

  • 2020年7月6日 新規作成
  • 2022年9月23日 加除修正

*1:Proof of Concept. 概念実証。新しい概念や理論,原理,アイデアの実証を目的とした,試作開発の前段階における検証やデモンストレーションを指す。