業務効率化や新サービスの開発につなげようと,企業がデジタル人材の育成を急いでいる。
私が勤めている企業も例外ではなく,デジタル人材の育成をテーマとして掲げている。
『デジタル人材育成宣言』(角田 仁,クロスメディア・パブリッシング,令和3年7月1日)を読了。
あえて辛口に言えば,これまでユーザー企業は IT 業務を IT ベンダーに丸投げしていたため,IT 人材の育成を本気で行ってきませんでした。しかし,今後はそれでは立ち行かなくなります。本来あるべき姿はユーザー企業中心の人材育成であり,それが世界標準である。(位置 No. 177)
IT 業務を IT ベンダーに丸投げするような情報システム部は,本来あるべき姿と程遠い。情報システム部にさえ,IT 人材がいないような企業では,立ち行かなくなるのは自明である。
ボトムアップ型の仕事のやり方の問題点として,担当者レベルの発想や実行力の域を出ないこともあります。組織を横断した施策の検討や実施にあたっては,ボトムアップ型では限界があり,組織変革といったレベルのプロジェクトは難しいと言えるでしょう。(位置 No. 264)
ボトムアップとトップダウンとの両方から攻めていかなければ,組織変革プロジェクトは成功しない。
式年遷宮の目的は技術の継承だと言われています。伊勢神宮には大小様々な社殿があり,その構築には有形無形のノウハウがあります。20 年という期間は当時の寿命でも 2 度は遷宮に携わることができ,1 回目は若手として初めて遷宮を経験し,2 度目にはその技術を後輩へ継承することができます。非常に合理的な発想です。(位置 No. 665)
技術継承のために,式年遷宮を行う。コストを度外視すれば,大変よい試みであると思う。
日本企業が力を入れるべきは,まずは既存システムのデジタル化であり,営業系システムといった周辺システムを皮切りに,基幹システムの刷新へと邁進することです。それと並行して社内データの整備を進め,できればデータ基盤などを構築できれば将来に向けた投資となるでしょう。(位置 No. 774)
社内データの整備というが,社内にはどんなデータがあり,そのデータを使いこなせば,何ができるのか,デザインしなければ,データを貯める箱ができるだけである。
たとえば,2020 年にサイヤング賞を受賞したトレバー・バウアー投手もダルビッシュ投手と同じように技術の公開を行っています。
「共有しなければ,他人からフィードバックがもらえない。共有をやめたら学ぶスピードが落ちる。それは損だと思う」とバウワー投手は語っています。(位置 No. 1338)
技術は公開するもの。公開すれば,新しい視点が加わり,また新たな技術を生み出す。社内だけで,技術は磨かれない。
参考文献
2022年2月21日 読売新聞「企業 デジタル人材育成急ぐ」
デジタル人材に求められる役割として,以下の 4 点を挙げている。
- 業務効率化
- データ分析
- システム開発
- 新規事業創出
更新履歴
- 2022年10月13日 新規作成
- 2022年2月21日 参考文献に「企業 デジタル人材育成急ぐ」を追加