2020年7月7日更新
『不透明な時代を見抜く「統計思考力」』(神永 正博,Discover,2009年4月15日発行)を読了。
べき分布は,経済学者ヴィルフレド・パレートが発見したもので,パレート分布と呼ばれることもあります。(p. 123)
所得に関して,べき分布が成り立っているという。
所得と教育の関係を考慮すると,学力も,べき分布になる日がくるのだろうか。
正規分布の形はハンドベルの形に似ているので,「ベル曲線(Bell Curve)」と呼ばれたり,また,発見者の名前をとって,「ガウス分布」と呼ばれることもあります。(p. 148)
ガウス分布は,ベル曲線(Bell Curve)。
ワイブル分布は,そもそも,機械や物が疲労で壊れるまでの寿命などを表現するために考えられました。ワイブルが最初(1951 年)に扱ったのは,ベアリングボール(機械の回転部分に使われる部品)の寿命の分布です。(p. 150)
ワイブル分布は,いわゆるバスタブカーブのこと。
ブラック・ショールズ評価式のすばらしいところは,「美しい数式で書ける」というところです。美しい,という意味は,数式に出てくる計算が簡単で,比較的短く表現でき,しかも,金利(r)や期間(T)などのパラメータを動かしたときにオプションの価格がどのように変化するかが一目瞭然だ,ということです。(p. 165)
ブラック・ショールズ評価式が金融工学を生み出した。
完璧な事業展開をしていて,しかも着実に利益を増やしてきているような企業が,予想外の出来事で倒産してしまう,というようなことはよくあります。それは予測できたのではないかという人がいますが,多くの場合,後知恵にすぎません。それまで一度も起きたことがないことは,どんな分析手法を使っても予測できないのです。(p. 213)
結局は,いままで起きたことがないことを予測できないということ。
しかし,将棋や囲碁では,かつての棋譜にないことがコンピュータ同士の対決では,起きている。
いずれ,人間には予想できないことも予想できる可能性があるのではないか。